国語に強い学生が犯しやすい失敗があります。
国語の試験では「筆者の考えを述べよ」という設問がよく見られます。
この種の設問では、文中にある言葉をそのまま引用して回答するのが一般的です。
筆者の考えを自分が独自で考えるより、文中の言葉を引用したほうが、筆者の考えを反映しやすいからです。
国語における、解法の定石です。
こうした解法を知る学生は、就職活動でも同じことを試みる傾向があります。
志望動機を考える際、案内資料やウェブサイトの文章の一部を引用するケースです。
たとえば、案内資料の一部を引用して、志望動機に含めれば、少なくとも企業と同じ考えを主張できるでしょう。
企業と応募者の考えが一致している印象を与えやすくなれば、好印象も得られやすいはずです。
賢い方法であるように思えますが、これには罠があります。
引用をすぐ見抜かれてしまうのです。
採用担当者は、自社の案内資料やウェブサイトを何度も確認していますから、見抜くのも早い。
「おや。このフレーズはどこかで覚えがある。そうだ。ウェブサイトの説明文と同じだ」
引用しているとわかれば、立派な志望動機とはいえ、信用できなくなるでしょう。
案内資料やウェブサイトの文章は、あくまで参考です。
参考として活用する分にはいいのですが、丸写しのような、露骨な引用は避けたほうが賢明です。
志望動機は、あくまで自分が考えた内容であることです。
自分が考え、自分の言葉で述べた志望動機が、採用担当者の心を最も動かすのです。