会話中、すでにわかっていることを言われることがあるでしょう。
そこで「わかっている」と返事をする人がいます。
「わかっていますよ」
「それくらいわかっている」
「はいはい、わかってます」
すでにわかっていることであれば「わかっている」と答えるのは当たり前のように思えます。
十分わかっていることであれば、なおさら「わかっています」と言いたくなるものですね。
あなたも口にすることがあるかもしれません。
素直な返事に聞こえるかもしれませんが、実は注意したい一言です。
「わかっている」と言われた相手の立場はどう感じるでしょうか。
少なくとも良い印象は受けないでしょう。
「わかっている」という一言は、言い返しているのと同じです。
「でも」「しかし」という言葉は登場していませんが、同じような拒否のニュアンスがあります。
「わかっている」と言われたら、相手は話を続けにくくなります。
「話を続けにくい」「この人には何を言っても無駄だ」となり、だんだんアドバイスをされなくなる。
正直に答えたつもりが、かえって相手を落ち込ませたり不快にさせたりすることがあります。
目上の人に「わかっています」と言おうものなら大変です。
眉をひそめむっとされるのは確実です。
口答えをした印象を与えてしまい、場合によっては干されてしまう可能性があります。
正直な一言だからといって、軽々しく口にするのは要注意。
「わかっている」と返事ばかりしていると、いずれ誰にも相手をされなくなり、孤立無援に陥りかねないのです。
大切なことは「素直な姿勢」です。
初めて聞く話であれば「なるほど、ありがとうございます」という返事をしますが、そうでなくても前向きな返事をしましょう。
すでに知っている話であっても「なるほど、ありがとうございます」という素直な返事がベストです。
知っていても、初めて聞くような態度を見せるのが良い。
素直に受け止め、感謝の言葉を返すのが好印象です。
わかっている話を聞いたところで仕方ないと思っているなら誤解です。
わかっている話を聞いても、無駄にはなりません。
「再確認」「再認識」として役立ち、意識を高める機会になるからです。
繰り返し聞くことで「やはり大切なことなのだな」とわかって、重要性の実感が強くなります。
わかっていることを繰り返して言われたときは、再確認・再認識として受け止めれば、にこにこしながら聞けるのです。
こうした態度を心がけることで、相手は「話をして良かった」と喜ばれます。
気持ちよく会話が続くのです。