20世紀まで、ワインの栓といえば「コルク」が一般的でした。
コルクは「コルク樫」という植物からできています。
風味や味わいがあっていいコルクですが、急に生産ができないデメリットがあります。
植物の成長には、時間がかかるのです。
生産量が量が間に合っていればいいのですが、コルクが足りない場合、ワインはあってもコルクがなく、販売できなくなるのです。
気候の変動によって、コルクの生産量や品質などが左右されます。
需要と供給のバランスを崩しやすく、価格が変動しやすくなるのです。
さらにコルクは、再利用が難しいといわれます。
一度使ったコルクは、ワインの風味が染み込んでいるため、再利用しにくく、焼却処分が一般的です。
燃やすと二酸化炭素を排出するため、環境にもよくありません。
そうした欠点を補うべく、21世紀に入ってから新しい素材のワインを見かけるようになりました。
「スクリュー・キャップ」です。
価格問題や環境への配慮を解決したキャップです。
短期間で大量生産ができます。
スクリュードライバーを使わず、素手で開けることができます。
ブショネが発生しないというのも、大きな魅力です。
使われるワインは、年々増えています。
一部のワイン通からは、風味が逃げやすくて長期熟成に向かない批判もあるのも事実です。
しかし、コルクのように風味が逃げないよう、しっかり設計がされているものもあります。
日々、スクリュー・キャップの改良が行われています。
現在では、高級ワインに使われるほど、スクリュー・キャップは高い品質になってきました。
私たちが一般的に消費するワインの範囲では、神経質になる必要はないでしょう。
「コルクのワインは高級。スクリュー・キャップのワインは安物」というイメージがあれば、誤解です。
必ずしも、そうとも限らないのです。