ワインに対する感想を聞くと、その人のワイン経験がうかがえます。
ワインを知り始めたばかりのころは、基本的な感想を言います。
「おいしいですね」
「甘いですね、からいですね」
「すっきりしますね、重いですね」
ワインが面白いのは、飲んだときの感想です。
ワインの親しみが深くなると、感想の様子も変わってきます。
「気持ちのいい酸味で、後味がすっきりしますね」
「一般的な赤ワインより、かなり飲みやすいですね」
「1990年の赤ですか。当たり年ですね」
ワインに対する親しみが深くなると、ほかの一般的なワインと比べて、違いを見つけることができます。
さて、面白いのはワインの上級者です。
さらに別の感想を言い始めます。
「この白ワインは、ほかのワインは、宙に浮いていますね」
「おや。ワインが喧嘩をしていますね」
「曲がっているな」
なにやら不思議な表現ですね。
しかし、聞く人が聞けば「おや。この人はワインをよくわかっている」と理解してくれます。
ワインに対する知識や経験が豊富であると、もはや言葉でうまく表現できるものではなくなります。
直感的な捉え方をするため、おかしな表現になる場合が多いのです。