ワインのテイスティングの際、空気と触れさせて酸化を進めるため、グラスを回します。
このとき、細かいようですが、右回りではなく左回りに回すのがマナーです。
なぜ、左回りに回すのでしょうか。
もちろんきちんとした意味があります。
ささいなことですが、深い意味が込められています。
実は、同席者を思いやる気持ちが込められているのです。
たとえば、右利きの人がワイングラスの足を持って右に回すとどうでしょうか。
右利きの人の右回りは、つい力が入りやすくなります。
遠心力によって、グラスからワインが飛び出た際、同席者に向かって飛ぶ可能性が高くなるのです。
一方、左回りに回すとどうなるでしょうか。
右利きの人の左回りは、慣れない方向です。
つまり、力が入りにくいのです。
そのため、遠心力が弱く、ワインをこぼしにくくなります。
たとえワインがこぼれたとしても、自分に向かってこぼれるので、同席者に迷惑はかかりません。
ワイングラスの回し方には、相手への気遣いが込められているのです。