海外旅行で利用するホテルはどこも、メイドサービスがあります。
毎日シーツやタオルを取り換えてくれたり、部屋やお風呂場の掃除をしてくれたりするサービスです。
そういうサービスがあるからとはいえ、急に部屋を乱暴に使う人がいます。
「ホテル代を払っているんだから、それくらいしてくれて当然だろう」
これはよくありません。
たしかに部屋や風呂場の掃除はメイドの仕事の1つですが、だから乱暴に使っていいというのは別問題です。
してくれるのは「掃除」です。
「片付け」ではありません。
乱暴に使うのは、話が別です。
メイドの立場になれば、よくわかります。
私たちの日常を思い浮かべてください。
部屋が汚ければ「だらしない人だな」と思う一方、部屋がきれいなら「きちんと自己管理ができる人だな」と思います。
部屋の状態だけで、その人の善しあしを判断されてはたまりません。
しかし、部屋の様子だけでそういう印象を持たれるのは事実です。
どの国の人でも、感じ方は同じです。
ホテルの掃除をしていると、めちゃくちゃな使い方をされている部屋を見て「ここに泊まっている人はそういう人か」と思われます。
どうせそのメイドとは今後一切会わないから、どう思われてもいいと思うのは、よくありません。
海外旅行は、お互いに気持ちのいいサービスを提供し合うものです。
メイドの代わりに部屋を掃除する必要はありませんが、片付けくらいはできるはずです。
ベッドから起きれば、布団をたたむ。
タオルをきれいに使う。
バスタオルは、元の位置に戻す。
これだけでも、全然違います。
「おや。ここに泊まっている人は素晴らしい人だな」
誰かがそう思ってくれるだけでも、気持ちのいいことだとは思いませんか。
会って話をすることはないかもしれませんが、そう思ってくれる瞬間を作るのが、達人の仕事なのです。