1980年代に初期のゲーム機が登場して以来、短い間に劇的な進化を遂げました。
現代のゲーム機は、昔に比べれば、高品質でハイレベルです。
ビジュアルは美しくなり、現実と見違えてしまうほどの映像です。
音楽もステレオはもちろん、オーケストラを利用した美しい音色のものが多くあります。
また最近は、体を動かして進めるゲームも増えてきました。
現実を見間違えてしまうほどの仮想空間。
もはや家庭用ゲーム機は、子どもたちの外遊びに変わる要素の1つになったといっても過言ではないでしょう。
これほど豊かなゲームなら、現実での外遊びのように五感を始め、思考力を鍛える機会になるはず。
しかも、現実ではとうてい味わうことのできない独特のストーリーもありますから、子どもたちの成長に一役買う面もあるでしょう。
ハイレベルのゲームをすれば、子どもの生きる力を身につけられるのではないか。
そう考える親御さんたちも多いのではないでしょうか。
しかし、やはりいくらゲーム機や仮想空間が発達したとしても、現実での外遊びにはかないません。
「刺激の質」が、全然違うからです。
現実での外遊びのほうがはるかに強く、圧倒的に豊富な刺激が得られます。
体を動かしたり、五感で刺激を感じ取ったりなど、ゲームより現実の外遊びのほうがはるかに豊かです。
川の水の冷たさを感じたり、花のにおいを嗅いだり、昆虫を発見したり、友人と協力してプレーしたりなどです。
ゲームや仮想空間で得られることもありますが、まだ現実世界の外遊びには及びません。
また、ゲームは最初からストーリーが決められています。
「ここはこういうふうにしなければいけない」というルールが、ゲーム製作者によって決められ、変更できません。
しかし、現実の外遊びは、ルールはありません。
自分たちで、好きなようにルールを作っていけるという柔軟性もあります。
いつでも、どこでも、何をしてもいい。
そうした無限の可能性は、外遊びのほうが大きいのです。