「もっとたくさん欲しい」
私たちは、幸せになるためには、より多くのものを欲しがることを考えます。
より多くのお金が欲しい。
より高い地位が欲しい。
より多くの友人が欲しい。
よりたくさんの道具が欲しい。
より広い土地が欲しい。
これまで「もっとたくさん」を目指していました。
しかし、たくさん手に入れたことで、本当の幸せを得たのでしょうか。
たしかにより多く手に入れると、一時的に幸せになれることでしょう。
しかし、そんな状態はすぐ慣れて、いつの間にか「あって当たり前」と考えるようになっているはずです。
また「もっとたくさん」を意識し始めていることでしょう。
手に入れては飽きて、また手に入れては飽きるという繰り返しです。
「もっとたくさん」という心がけは、実は心の病です。
「満足できない」という病気です。
少し多く手に入れれば一時的に満足しますが、少し時間が経つと慣れて、すぐもっと欲しくなります。
さらに多くを手に入れて一時的に満足しても、やはりまたもっと欲しくなります。
「満足できない」という心の病気を持っているなら、いつまで経ってもこの繰り返しです。
極端に言えば、死ぬまで繰り返します。
このままでは、死ぬまで本当の満足感が得られません。
「ちょっとおかしいぞ。繰り返しになっていないか」
そろそろ気づきましょう。
たくさん手に入れても、幸せを感じるのは、ほんの一時的であることを。
「もっとたくさん」という考え方を、そろそろやめることです。
代わりに「すでに十分」という考え方に変えましょう。
より多く手にするのではなく、実はすでに十分手にしているのだと考えます。
「何かを手に入れて幸せを感じる」のではなく「今すでに満たされている」ということを心がけることです。
まず生きていることに感謝。
健康を手に入れていることに感謝。
友人がいることに感謝。
自由があることに感謝。
心臓が勝手に動いていることに感謝。
すなわち「愛に囲まれている」という事実に気づくことです。
愛に囲まれているという事実に気づけば、今この瞬間から幸せを感じることができます。
手にするのではなく、すでに手にしています。
そもそも今あなたが生きているということは、両親が愛し合わなければ誕生しませんでした。
親からの愛情がなければ、あなたは生きていけなかったでしょう。
両親からの愛があったからこそ育つことができ、今生きています。
素晴らしい健康は、まさに自然のたまものです。
意識をしなくても心臓が勝手に動いている。
意識をしなくても髪は伸び、汗をかき、肌は新陳代謝を繰り返すという「営み」に気づきましょう。
「何て素晴らしいのだろう。すでに素晴らしい宝を持っているではないか」
そういう宇宙の愛に気づくはずです。
神様がいるとしか思えないような、すべての偶然が重なりすぎています。
そういう考えが身につけば、幸せは一時的ではなく、永遠に続きます。
深い喜び、愛情が感じられます。
「すでに十分」という考え方を身につければいい。
そのとき「もっとたくさん」という心の病から、ようやく解放されるのです。