「立場を交代する」というのは、気の利いた人になるために必要なポイントです。
たとえば、父が母の立場になり、母が父の立場になります。
すると、父は母の子育ての難しさを理解し、母は仕事のストレスがどれだけ大変かがわかるようになります。
先生が生徒の立場になり、生徒が先生の立場になります。
すると、先生は生徒にとってわかりやすい説明ができるようになり、生徒は先生の教える難しさを理解できるようになります。
気を利かせるとはいえ、相手のことを知らなければ、行動しようがありません。
まず、立場を交代して、相手の大変さを体験するのです。
もちろんいきなり立場を逆転するのは、難しいことでしょう。
父が母の真似をしていきなり料理をしてみると、包丁で指を切るかもしれません。
母が父の真似をして、パソコンを使うと、逆に大切なファイルを削除してしまうかもしれません。
慣れていないことを突然すれば、思わぬ事故につながりかねません。
では「お手伝い」というレベルから始めるのはいかがでしょうか。
父が母のお手伝いをして、母が父のお手伝いをするというアプローチから始めるといいでしょう。
完全に立場を交代するのではなく「お手伝い」という入りやすい入り口から、少しずつ相手の立場になります。
少しずつ相手の立場を体験して、頭ではなく、体で理解するのです。
最終的に、完全に相手の立場になりきれるようになれば、満点です。
相手の立場を体験できたとき、必ず相手の考えていることがわかるようになります。
相手の気持ちが理解できれば、相手が今してほしいことがわかるようになり、気の利いた行動ができるようになるのです。
「お手伝い」とは、気が利く人になるための第一歩なのです。