「世界が1つになれば、戦争はなくなるのに」
私は昔、戦争が起こる理由は世界がばらばらだからだと思っていました。
世界が1種類の国、1種類の人種、1種類の言葉だけになれば、きっと平和になるだろうと思っていました。
戦争が起こる理由は、世界にたくさんの国があり、多くの違いがあるからだと思っていました。
しかし、自分が大人になるにつれて、間違いであったことに気づきます。
そう思っている考えこそ、戦争を引き起こしている理由だったのだと気づいたとき、自分を恥じて、考えを改めました。
戦争が起こる理由は、ばらばらだからではありません。
みんなが1つになろうとする働きがあるから、逆に戦争が起こります。
みんなが1つになろうとすると、どんなことになるでしょうか。
「私の考えが正しい。あなたの考えは間違っている。私の言うとおりにしなさい!」
自分の考えや理想を、相手に押し付けようとします。
強制的に考え方を統一させようとする。
その結果、反発と対立が生まれます。
その押し付け合いが、戦争です。
本当は、世界が1つになろうとしないほうが、平和になります。
1つになろうとするのではなく、お互いの違いを認め合うことこそ、平和に必要なことです。
そもそも私たちには生まれつきの「変えようのない違い」があります。
鳥、魚、犬、猫……。
人間といえども、黒人・白人・黄色人種などの違いがあります。
身長・体重・性格などの違いもあるでしょう。
変えようのない違いを変えようとするのは、無理があります。
1つになろうとするのではなく「お互いに違いがある。その違い同士を組み合わせて、助け合おうではないか」と考えるのです。
違いはそのままにしておく。
組み合わせることで、平らにします。
違いを認め、協力し合おうとするとき、ようやく本当の意味で「1つ」になれます。
この世はジグソーパズルです。
違いのあるピースがあるからこそ、お互いに組み合い、補完し合えます。
ばらばらのピースを組み合わせていくと、素晴らしい絵になるのです。