「できるかぎり少人数のほうがいい?」
仕事のスピードと質を上げるためには、実は少人数のほうが、よい結果が得られます。
嘘のような本当の話です。
私は最初、仕事はみんなと協力して行うものだと思っていました。
みんなで力を合わせれば、それだけ早く完璧にできるように思えます。
しかし、参加する人数が多ければ多いほど、だらだらした雰囲気が生まれます。
全体の意識統一の膨大な時間とエネルギーが消費されます。
個人プレーは、自分だけの意識で仕事を行えます。
判断や作業の進め方など、責任は1人で背負うことにはなりますが、その責任感があるだけにしゃきっと行動するようになります。
判断もみんなで話し合う必要がありませんから、余計な時間を使わずにすみます。
参加する人数が多ければ多いほど、実はスピードが落ち、質も下がってしまうのです。
会議などは、その典型です。
会議は、たくさんの人が集まって話し合います。
大勢が集まって話し合うのですから、素晴らしい意見やアイデアが飛び交うのかと思えば、とんでもない。
眠気に苦しむ、退屈な会議となります。
大勢がいるだけに、1人に対する責任感が薄れます。
「自分が発言しなくても、ほかの人が発言してくれる」
「自分が考えなくてもほかの人が考えてくれる」
大勢が会議に出席していても、発言者が少なく、お通夜のような雰囲気になるのです。
作業も同じです。
みんなで協力して作業を行おうとすると、一人一人の責任は薄れます。
「自分がサボっても、ほかの人が補ってくれる」と思い、ついだらけてしまいます。
逆説的と思われるかもしれませんが、仕事のスピードと質を上げるためには、できるかぎり少人数のほうがいいのです。
少なければ少ないほど、大きな責任感が生まれ、結果として仕事の質が上がります。
レオナルドダビンチの名画『モナリザ』も、1人の人間が描いたからこそ、質が高いのです。
「みんなで協力して絵を描こう、君は耳を描いてね。ボクは目を描く。あなたは鼻と口を描いてね」
みんなで協力すると、不思議なことに統一感がなくなってばらばらとなり、質の低い作品となってしまうのです。
スピードのある仕事、質の高い仕事のためには、少人数はキーワードです。
不要な人間は、できるかぎり参加させないことなのです。