さて、あなたの生活を振り返ってみましょう。
段取りのよい生活をしているでしょうか。
段取りとは「事の順序・方法を定め、工夫を凝らす」ということです。
試験に落ちた。
仕事で失敗をした。
恋愛がうまくいかなかった。
人間は、面倒を嫌がる生き物です。
面倒だから、何とか楽をしたいと考えます。
さて、こんなとき、2種類の人間にわかれます。
テストの結果は、段取りで変わります。
あなたはテストを受験する際、まずどの問題から解き進めていきますか。
まず1問目から順番どおりに進めていくのは、段取りがいいとは言えません。
会議が活性化するかどうかは、段取りで決まります。
ポイントは「会議で配る資料の渡し方」です。
まず、段取りの悪い会議からお話しします。
資料をもっとわかりやすくするために、どうしていますか。
まず思い浮かぶのは、図表を加えて、視覚的に理解をしやすくしようという工夫です。
たしかに図表は大切です。
少年野球では、注目の集まるバッターかピッチャーを、みんながやりたがります。
しかし、ライトのような、めったに球が飛んでこないようなポジションは嫌がります。
理由は単純です。
段取りのよさから考えると「単発」より「連続」です。
連続のほうが、より早く、より質が高くなります。
続けて行うことには、数多くのメリットがあります。
私がアメリカを旅行したときのことです。
たまたま夏休みの時期と重なり、なかなか航空券が思うように取れませんでした。
日本から直接アメリカへ行く旅券は何とか取れましたが、アメリカから日本へ直接向かう旅券は、予約がいっぱいで取れません。
段取りの下手な人は、段取りをよくしようとするために、コミュニケーションをカットしようとします。
コミュニケーションをカットすれば、人と会話をする手間もなく、楽ができると思っているからです。
たしかに気が進まない付き合い、煩わしい人間関係があるのは事実です。
段取りとは「区切る力」と言っても過言ではありません。
勉強なのか、仕事なのか、遊びなのか、デートなのかをしっかり区切ることで、1つのことに集中できます。
結果として、スピードも質もよくなり、内容も濃くなります。
ある日のことです。
朝、部下のKさんが、9時を過ぎても出社してきません。
どうやら遅刻のようです。
カレーを作るときには、鍋の中に具を入れます。
しかし、入れるとはいえ、適当な順番で入れればいいわけではありません。
正しい順番があります。
集中力を鍛えるためには、特別な訓練は不要です。
心を鍛える・本を読む・雑念を取り払う……。
どれも考えすぎです。
段取り上手は、2つの力があります。
(1)まとめる力
(2)分ける力
あなたは、食事をするときには、好きなものから手をつけますか。
それとも嫌いなものから手をつけますか。
私なら、好きなものから手をつけます。
あなたが誰かに提案をするときに、いきなり話を始めてはいないでしょうか。
提案するときに、話が相手にうまく通るかどうかは、提案の内容がポイントだと思われがちです。
たとえば、プレゼンで、新商品の説明をするとき、自分の提案した内容を振り返り、整えます。
誕生日のパーティーを本人に知らせず、当日に突然驚かせて行う祝い方があります。
いわゆる「サプライズ・パーティー」です。
誕生日パーティーは、前もって準備をするのは通例です。
段取りを整えるためには、あらかじめ流れを紙に書く、という作業です。
行き当たりばったりで対応を考えるのではなく、あらかじめ流れを考え、前もって対策を立てておきます。
作業がスムーズに進みます。
本当に賢い人は、的を絞るのが上手です。
自分にとって本当に大切なことだけに的を絞り、一点に集中します。
仕事でも、勉強でも、恋愛でも、対象を絞るのが成就するポイントです。
段取りとは、一歩先の未来を考えた行動のことです。
今、目の前にある仕事の効率を第一に考えるのではなく、一歩先の未来を考えた行動を第一に考えます。
たとえば、電車の乗り降りです。
段取りとは、順番です。
物事には、効率よく進めるために適した順序があります。
順序をきちんと整えて勉強や仕事をすれば、速く正確に進めることができます。
私は1日をスタートするときに、まず段取りから考えます。
大切な休日は有効に活用したいために、できるだけ効率を考えたスケジュールを立てます。
恐縮ですが、私の休日のスケジュールを紹介します。
開拓者・先駆者になるのは、大変なことです。
前例がまったくないので、参考になることがなく、すべてのやり方を編み出して、実行しなければなりません。
前例がないので失敗のリスクが高く、考えなければいけない課題も山積みです。
私がアメリカに留学していたころの話です。
もともと1人で行動する私は、よく1人で買い物や散歩などしていました。
友人がいないわけでもありませんでしたが、これといって、友人も多いわけでもありませんでした。
段取りの悪い人は、仕事をパーフェクトに仕上げようとします。
上司に提出する資料なら、レイアウトを整えて、誤字脱字もなく、見栄えをよくして、完璧に完成してから提出しようとします。
できるだけよい状態で提出したい気持ちもわかります。
段取りが悪い人は、そもそも仕事の量が少ないです。
それほどたくさん仕事をしていないので、コツがつかめていません。
コツがつかめていない状態で、工夫も段取りも考えようがありません。
私の不思議な体験を、1つご紹介します。
ある日、職場で仕事をしていたときのことです。
その仕事は、長時間、単調な作業を繰り返すという内容でした。
テーブルマナー。
仕事のマナー。
電車のマナー。
段取りを考えるときに、よく陥りがちなことは「順調な場合の段取りを考える」ということです。
トラブルもなく、順調に進むことを想定して、段取りを考えます。
「順調な場合の段取りを考えて、なぜいけないのか」という声が聞こえてきそうですね。