玄関の鍵を持参せず、外に置く人がいます。
玄関マットの下、傘立ての中、植木鉢の下、置物のサイドポケット、郵便ポストの中、室外機の下、水道メーターボックスの内部。
玄関前の、わかりにくい場所にこっそり隠すのです。
本人は「うまく隠せた。誰も気づくまい。取り出しやすくて安全対策もばっちり」と思っています。
しかし、これほど危険なことはありません。
玄関前は、最も隠していけない場所です。
空き巣はそういうところを、真っ先にチェックするからです。
人間は楽をしたがる生き物です。
外に鍵を置く場合、玄関近くに隠す傾向があることを、空き巣は知っています。
玄関前の領域は限られています。
空き巣に玄関前をじっくり調べられたらアウトです。
「絶対わからない」という場所に隠したとしても、空き巣の手にかかれば朝飯前。
どれだけ巧妙に鍵を隠したところで、あっさり見つけられます。
たいてい1分もかかりません。
玄関前に隠すことほど危険なことはないのです。
どうすれば鍵を見つけにくくできるのでしょうか。
まず一番大切なことは「そもそも外に鍵を置かない」ということです。
いくら都合が良いとはいえ、外に鍵を置くこと自体が高リスクです。
防犯対策を考えるなら、玄関前に隠さず、きちんと持参するのがベストです。
「どうしても外に置きたい」「鍵の持参が難しい」というケースもあるかもしれません。
都合があって外に鍵を置きたいのであれば、十分な対策のうえで隠すことが求められます。
外に置く場合、次の2つが有効です。
玄関から十分離れた場所に隠します。
少なくとも玄関から10メートルは離れた場所に隠すのが得策です。
玄関からの距離が遠くなればなるほど、空き巣にとって探す範囲が広がって時間がかかるため、狙われにくくなります。
自宅で犬を飼っているなら、犬の首輪にくくりつけるのも方法です。
「犬小屋が外にあること」「中型犬以上であること」「飼い主以外に吠える犬であること」の3つが条件です。
いくら空き巣とはいえ、うるさく吠える犬には近づけません。
犬は飼い主のときだけおとなしくなるので、犬の首輪に取り付けておけば狙われにくくなります。