嫌なことがあったとき、意識的に忘れようとする人がいます。
誰でも嫌なことは早く忘れたいと思うもの。
嫌なことは不快感があって、気分も下がります。
記憶消去のボタンがあれば、どれだけ便利なのでしょう。
嫌なことは1分1秒でも早く忘れたいと思うのは、人の自然な心理です。
忘れる努力をすれば、それだけ早く忘れるように思われますが、ここに思わぬ落とし穴があります。
無理に忘れようとしてはいけません。
かえって記憶が強化されるからです。
無理に嫌なことを忘れようとすると、逆に意識します。
嫌なことを忘れようと思えば思うほど、嫌なことに注意が向き、何度も思い出すことになります。
これはいわば、勉強でいう「復習」と同じ効果です。
忘れるどころか、かえって記憶に深く刻まれてしまい、ますます忘れられなくなります。
嫌なことを無理に忘れようとするのは逆効果なのです。
では、スムーズに嫌なことを忘れるにはどうすればいいのでしょうか。
ベストの方法は「何か別のことをして気を紛らわせること」です。
何でもいいので、集中する時間を作りましょう。
一心不乱に仕事をするのも良し。
やるべきことに集中すれば、嫌なことを忘れられるうえ、仕事もはかどります。
わざと忙しい状態を作れば、余計なことを考えないで済みます。
好きなことをするのも良し。
趣味でも遊びでもいいのです。
好きなことをしているときは、心がわくわくします。
自然とポジティブで明るい気持ちになるので、嫌な気持ちを吹き飛ばしてくれます。
私たち人間には「忘れる」という素晴らしい能力があります。
仕事でも好きなことでもいいのです。
何か別のことをして、嫌なことを思い出さない時間を作りましょう。
嫌なことから意識がそれることで、だんだん記憶から消えます。
気づけば、すっかり嫌なことを忘れているのです。