歩くと、必ず聞こえてくる音があります。
「足音」です。
歩くたびに足が地面に当たって音が出ます。
小さな音であり、集中して聞くこともないでしょう。
普通に聞こえるものであり、特別気にすることもないでしょう。
この足音を「音楽」として聞いてみてください。
「音楽ではない」と思うかもしれませんが、頭を柔らかくして固定観念をなくしてください。
音を楽しむから「音楽」です。
音を楽しむことができれば、何でも音楽になります。
「これが音楽」と決まっているわけではなく、自分が音楽と思えば、音楽になります。
そういう発想をしたことがないなら、なおさら取り入れてみる価値があるでしょう。
たとえば、歩いて買い物に行くとき、自分の足音に耳を傾けてみましょう。
どんな音がするでしょうか。
小さな音ですが、耳を澄まして足元に注意を向ければ、いつもよりはっきり聞こえるはずです。
足音は、履物の種類で変わります。
スニーカーを履いているとき、革靴を履いているとき、サンダルを履いているとき。
それぞれ変わった音がするでしょう。
足音は、歩く場所でも変わります。
草むらを歩くとき、砂利道を歩くとき、舗装道路を歩くとき。
一言で足音と言っても、まるで違った音が聞こえるはずです。
テンポの速さも調整できます。
遅い足取りで歩くときはスローテンポになり、速い足取りであるときはハイテンポになります。
足は、自分の意思で動かせます。
自分の意思で調整できるのですから、れっきとした演奏です。
これが音楽の可能性です。
さあ、歩きましょう。
自分が歩く足音を「音楽」として楽しんでみてください。
演奏者は、あなた。
楽器は、あなたの足。
観客は、あなたです。
歩くだけで音楽会の始まりです。
自分の足音に耳を傾けると、そこには音楽があります。
足音という名の音楽を楽しめば、徒歩の時間も楽しくなるに違いありません。
ただの足音ではありません。
あなたの足から奏でるメロディーです。
あるときはヒーリングミュージックのようにも聞こえ、またあるときはロックサウンドに聞こえるでしょう。
素晴らしい音楽は、あなたの足元にあるのです。