相手を喜ばせるために役立つ、前置きのフレーズがあります。
「前から思っていたんだけど」です。
この前置きのフレーズを使うことで、後に続く褒め言葉がより印象深くなり、感動を倍増させることができます。
あなたが「前から思っていたんだけど」と言われたときの状況を思い浮かべてみてください。
「何を言われるのだろうか」
「変なことを言われたらどうしよう」
「前から思っていたということは、目立つことなんだろうな」
「前から思っていたんだけど」と言われると、相手をどきどきさせることができます。
どきどきさせた分だけ、後に続く言葉が印象的になります。
しっかり記憶にも残ります。
「優しいですね」と言われるより「前から思っていたんだけど、優しいですよね」と言われるほうが嬉しい。
「いい声ですね」と言われるより「前から思っていたんだけど、いい声ですよね」と言われるほうが嬉しい。
「肌がきれいですね」と言われるより「前から思っていたんだけど、肌がきれいですよね」と言われるほうが嬉しい。
「前から思っていた」という言葉から、長い時間軸が感じられます。
前からずっと感じ続けていたことが分かると、お世辞ではなく、本音で言っている感じが強くなります。
「前から思っていたんだけど」と前置きをしてから褒めれば、本音感が増して、より相手を喜ばせることができるのです。
「前から思っていたんだけど」というフレーズを使う際は、ポイントがあります。
次の2つの注意点を守るようにしてください。
「前から思っていたんだけど」の後は、褒め言葉が続くようにしましょう。
批判や悪口を続けるのはよくありません。
たとえば「前から思っていたんだけど、目つきが悪いですよね」というのはNGです。
批判や悪口の言葉が続くと、相手の心にぐさりと突き刺さって、大きなショックを受けるでしょう。
印象の残りやすいフレーズであるゆえに、ネガティブな言葉の場合、ショックの度合いも倍増します。
「前から思っていたんだけど」の後は、褒め言葉が続くようにしましょう。
いくら効果的なフレーズとはいえ、嘘はよくありません。
たった今思いついたことを「前から思っていた」とするのはよくありません。
言葉のとおり、本当に前から思っていたことを言うようにしましょう。
「前から思っていたんだけど」
この一言を、時と場を選んで使えば、上手に相手を喜ばせることができるでしょう。
さりげなく前置きをしてから褒めれば、相手はにこにこ喜んでくれるはずです。
嬉しい言葉をかけてくれるあなたのことを、もっと好きになってもらえるはずです。
人を喜ばせる達人に、一歩近づけるのです。