「大人になると感動が減る」
ときどき聞かれる言葉です。
理由は、大人になるほど世の中を知るようになるため、感動が少なくなるとのことです。
たしかに一理ありますが、大きな誤解があります。
あらためて考えてみましょう。
知識が増えて見識が広くなるとはいえ、世の中のことをすべて知ることはできません。
たしかに長く生きるほど知ることは多くなりますが、すべてを見聞きすることは不可能です。
世の中には無限の発見があります。
いくら長生きをしても、自分にとって新しく感じることは常にあります。
にもかかわらず、大人になるほど感動が少なくなるのは、なぜでしょうか。
長く生きて、世の中のことをよく知るようになったからではありません。
本当の原因は、向上意欲の低下です。
向上意欲が低下しているため、感動したことが減ったように感じるのです。
頭が固くなり、吸収や行動力が少なくなれば、感動も減って当然です。
ネガティブがネガティブな行動を引き寄せ、さらに向上意欲の低下につながります。
いよいよ悪循環に陥るのです。
そうした自分になっているかを確かめる、大切な問いかけがあります。
「最近、感動しているかどうか」です。
平凡ですが、重要な問いかけです。
最近、強く心を動かされる経験をしましたか。
「おっ、なるほど!」「これはすごい!」と思った出来事です。
最近感動していないなら大変です。
平凡な毎日を繰り返し、頭が固くなり、行動が少ない証拠です。
同じことを繰り返すだけの毎日になり、新しいことがありません。
感動がなければ、探せばいいのです。
本屋に行って、興味のある本を1冊でも読めば、必ず感動します。
感動するときに、人間は、成長します。
常に新しいものを取り入れることで、心の新陳代謝が行われます。
「大人になると、感動することが少なくなる」という甘い言葉で、ごまかさないことです。
大人になってからも感動が必要です。
人間は、いつまでも感動し続けることができる生き物なのです。