流されない生き方をするなら「集団」に注意しましょう。
もちろん集団を否定するわけではありません。
学校の遠足や旅行の団体ツアーでは、集団行動が求められます。
グループで行動しなければいけないときは、周りに迷惑をかけないように振る舞うことが必要です。
また私たちの社会では、集団で構成されています。
家庭には家族の集団があり、学校には学校の集団があり、会社には会社の集団があります。
それぞれの集団に属することで、自分が守られたり協力が得られたりします。
役割を通じて、自分のアイデンティティーが保たれます。
集団になれば、心強いもの。
「1人では寂しいから人といたい」「みんなと行動したほうが心強い」という人もいるでしょう。
「みんないれば、怖くない」
「みんなといると、充実感が増す」
寂しさが半減して、楽しさが倍増するでしょう。
集団には集団のよさがあるのも事実です。
民主主義においても、集団を構成すれば、大きな力を発揮できます。
しかし、いつも集団ばかりではよくありません。
集団の中にいると「同調圧力」と「集団心理」の影響を受けるからです。
集団でいると「同調圧力」が生まれます。
「周りに迷惑をかけてはいけない」
「周りと同じでなければいけない」
「周りと調子を合わせなければいけない」
心理的なプレッシャーがかかって、周りと同じように自分を調整してしまいます。
集団で動くと、その方向に流されがちです。
集団が右に行けば、自分も右に行くしかありません。
頭で「流されない」と意識できていても、人の数が多いと振り切るのが難しい。
右に行きたくなくても、大きな力の前では逆らえません。
自分の考えを曲げることが多くなる。
集団の中にいると「○○するべき」「○○しないべき」という風潮に流されやすくなります。
不本意な選択や行動をしなければいけなくなることが増えます。
集団の中にいると、同調圧力によって、周りに合わせた行動が増えることになるでしょう。
集団でいると「集団心理」に惑わされます。
自分では「NO」だと思っていても、周りのみんなが「YES」と答えると、それが正しいように感じてきます。
認知のゆがみが生じて、正しい判断・冷静な決断が妨げられます。
善悪の判断が難しくなり、真実が見えにくくなります。
結果として、本来の自分を見失ったり、自分らしくない生き方になったりします。
集団の中にいると、同調圧力と集団心理の作用によって流されやすくなります。
これは仕方ありません。
よくも悪くも、これが集団の特徴です。
集団に深入りはしないことです。
集団にはプラス面もありますが、いつも誰かとつるんでばかりいると、いつかしっぺ返しを食らうでしょう。
では、どうすればいいのか。
そこで大切になるのが「個人」です。
個人で行動しましょう。
集団から飛び出し、1人で動いてみてください。
孤高の一匹狼になるのです。
個人になると、同調圧力から解放され、自由が手に入ります。
人に合わせたり周りに気遣ったりする必要がなくなって楽です。
行きたいところに行けます。
自分のペースで歩けます。
立ち止まりたいところで立ち止まれます。
映画館、美術館、博物館、レストラン、コンサート、旅行。
それぞれ1人で楽しむと、いっそう深く味わえるはずです。
集団心理に惑わされることもありません。
個人になれば、孤独の時間が生まれます。
孤独の時間は自分と向き合う時間です。
本音は、小さな声でささやかれます。
自分の内側に集中して、心の声に耳を傾けることで、自分の本当の考えや感情に気づけます。
集団心理に惑わされることなく、自分らしい人生を送れるのです。
寂しく感じることもありますが、最初だけです。
慣れてしまえば、集団より個人のほうが楽に感じるでしょう。
大きな自由が手に入るので、歩みたい方向に向けて、思いどおりの環境が整っていくのです。
個人で行動すると、リスクや責任を負うことになりますが、その緊張感によって判断力と意思決定力が鍛えられます。
それらが、流されない力に変わっていきます。
集団から抜け出しましょう。
孤独を愛しましょう。
思いどおりの人生を歩みたければ、必要がないかぎり、個人で行動するのが得策です。
集団でいることも大切ですが、個人でいることはもっと大切です。
個人行動に慣れたころには「流されない人」に生まれ変わっているはずです。