不思議なことに人間は「動けない」というときがあります。
けがをして動けないときのことを言っているのではありません。
「やる気が出ないから動けない」ということです。
「体は健康であるにもかかわらず思うように動かせない」という不思議な状態です。
私たち人間が行動するときには「体」そのものが問題なのではなく、実は「気持ち」の問題なのです。
「できない」「やれない」「できるわけがない」というほとんどの理由が、単に「やる気がない」という気持ちの問題です。
私たちは、学校で「体育」という授業を受けます。
鉄棒で逆上がりをしたり、マラソンや飛び箱で体を動かしたりして健全な発育を目指します。
しかし、大人になるにつれて、いくら体が自由に動かせるようになったとしても、気持ちがないと動かないのです。
学校では「体の動かし方」という体育の授業はあっても「気持ちの整理の仕方」という気持ちの授業はありません。
そのため気持ちがコントロールできないまま大人になります。
将来自分のやりたいことを実現するための行動力が出ない貧弱な人間になってしまうのです。
行動力とは、体力より気持ちの問題です。
大切なことは「体」ではなく「気持ち」です。
気持ちがあれば、多少の障害が体にあったとしても体は動きます。
しかし、いくら健康でも、気持ちがなければ体は動かないのです。
両手両足のない乙武洋匡さんは、五体満足の私たちよりよく動き、スポーツジャーナリストとして活躍しています。
目も耳も声も出せなかったヘレン・ケラーは、猛勉強の末、ハーバード大学に合格し、世界の平和のために貢献しました。
体そのものが問題なのではなく、気持ちの問題なのです。