気持ちの整理整頓は、本棚の整理整頓とそっくりです。
本棚を整理するコツがわかっていれば、気持ちの整理も同じ要領ですればいいだけです。
この2つの存在は全然違うものなのですが、気持ちの動かし方や余裕の大切さは、そっくりなのです。
気持ちを整理するうえで、本棚を想像してみましょう。
本棚が見苦しいときは、本棚がいっぱいになりキチキチになった状態です。
もう入りきらないというのに、また新しい本を買ってきたため、読み終わればもう1冊本棚に本を押し込むことになります。
これでは本を入れる前に、本棚そのものが壊れてしまいそうです。
本棚がきれいに整えられているときは、適度なスペースがあるときです。
スペースが大きければ大きいほど、本も整理しやすく、また並べ替えやすいのです。
気持ちも整理も同じです。
たくさんのことを考えて、余裕のない状態だと気持ちの整理が追いつかず、頭が混乱してしまいます。
こんな状態は、あなたの頭が悪いのではなく、整理整頓の仕方が悪いだけです。
本棚を整理するうえでは、読まなくなった本は誰かほかの人にあげるか、あるいはいっそのこと捨ててしまいましょう。
ため込んでいては、いずれいっぱいになる日は目に見えています。
それと同じように、気持ちを整理するうえで大切なことは「忘れてしまう」ということなのです。
隙間を作ることが本棚のスペースを作るように、忘れることが気持ちの余裕を作り出します。
気持ちや考えに余裕ができればできるほど整理がしやすくなり、また新しい情報を受け入れやすくなります。
忘れる能力は、失うことではなく、再び力を得ることです。
忘れることができるから、人はまた新しい情報を受け入れることができ、成長ができます。
今までのことを顕在意識としてすべて覚えてしまったままだと、気持ちが混乱しおかしくなります。
過去の喜怒哀楽が共存していれば「怒りながら、悲しみ、楽しみながら、喜ぶ」というわけのわからない状態になるでしょう。
入ってきては捨ててという繰り返しによって、常に頭の中はスペースを確保し、気持ちがいっぱいになることを防いでいるのです。
気持ちを整理しコントロールするためには「忘れること」が必要なのです。