行動力を上げるには「人数」に要注意です。
人数は、行動力に影響するポイントだからです。
普通に考えると、人数が多くなるにつれてスピードが速くなり、行動力も上がるように思えます。
もちろん大勢いるほうが賑やかで、総合的なパワーは大きくなるでしょう。
寂しさや恥ずかしさが紛れ、わいわい楽しくなります。
複数人と協力することで、1人でできないこともできるでしょう。
知恵や工夫もたくさん生まれます。
実現できる仕事の規模も大きくなります。
1人でできない仕事も、複数人と手分けして取り組めば、あっさり実現するでしょう。
行動力を上げるなら、人数は多いほうがいいと思うかもしれません。
しかし、ここに落とし穴があります。
実際は、人数が多くなるにつれてスピードが遅くなり、行動力が下がります。
たとえば、仕事のプロジェクトです。
プロジェクトの参加人数は、大勢いるほうがいいとは限りません。
大勢で協力してやろうとすると、スケジュールやタスク管理が煩雑になります。
たくさんアイデアは出ますが、まとめるのに苦労して、整理も大変になります。
1人あたりの責任が小さくなって、緊張感が薄れます。
「少しくらいサボっても大丈夫」「誰かがやってくれるだろう」といった集団心理が発生して、仕事の質も低下を招きます。
さまざまな人の意見を集約する必要が出てくるので、判断も決定も遅くなります。
人が増えるにつれて、人間関係の問題も発生します。
人の管理や調整に手間暇がかかり、仕事以外の悩みが増えるでしょう。
人数を増やすと、速くなるどころか、かえって遅くなるのです。
友人と旅行に行くときも注意が必要です。
大勢の友人と旅行に行こうとすると、なかなか日程が決まりません。
日程は、みんなの都合を合わせなくてはなりません。
旅行の話し合いも、みんなが集まらないとできません。
いざ旅行に行っても、団体行動になるので、自由な行動が制限されます。
気になるものがあっても、立ち止まりにくくなります。
行きたいところがあっても行きにくくなります。
団体行動は、寂しさや恥ずかしさこそ紛れますが、行動力が出にくくなるのです。
行動力をつけたいなら、人数を減らすことです。
5人より4人、4人より3人、3人より2人です。
人数を減らすにつれて、話し合いが減って、調整が楽になります。
責任感と緊張感が増して、仕事の質も向上します。
判断と決断のスピードが速くなり、結果として行動力が高まるのです。
究極は、1人です。
何をするにも、すべて自分一人で決められます。
責任の負担が1人に集中しますが、だからこそ責任感と緊張感が出て、きびきびした行動になります。
勉強するときも、みんなでわいわいしながらするより、1人のほうが集中できます。
博物館や美術館で芸術鑑賞をするのも、友人と大勢で行くより、1人で行くほうがじっくり楽しめます。
1人は身軽なので、最も行動力が出やすくなるのです。
安易に人数を増やすのは要注意です。
行動力を出すなら、人数は必要最小限に抑えるのが得策です。
人数が増えると、行動が遅くなります。
人数が減ると、行動が早くなるのです。