ときどき日常では、苦情を言いたくなる場面があります。
新しく買った商品が、初期不良だった。
隣の部屋の人が大騒ぎをして、うるさい。
注文した料理が間違って出てきた。
そんなとき、どうするかです。
「優しい人は文句を言わない」「優しい人になるためには黙っておくほうがいい」と思っているなら誤解です。
優しい人であっても、トラブルに遭遇したときは文句を言いたくなります。
黙ったまま泣き寝入りするのはよくありません。
やはり迷惑になっていることがあるなら、きちんと苦情を入れたほうがいいでしょう。
相手を不快にさせる可能性があったとしても、迷惑になっているなら、やはりきちんと言うことが大切です。
このときがポイントです。
往々にして苦情を言う場面は、腹が立っているため、厳しい口調になりがちです。
しかし、厳しい口調で苦情を入れるのは、優しくありません。
またいきなり苦情を言い始めるのも避けたほうがいいでしょう。
相手は反感を覚え、素直に対応しにくくなります。
もしくは、強い口調に腹を立て、逆上される可能性もゼロではありません。
厳しい口調で苦情を入れるのは、優しい人にふさわしくない態度です。
優しい人になりたいなら、苦情を言うとき、心がけたいことがあります。
丁寧な前置きです。
丁寧な前置きを述べてから話し始めれば、聞きやすい言葉になります。
「少し言いにくいことなのですが~」
「少しお願いしたいことがありまして~」
「あらためてお話したいことがありまして~」
「実は少し困っていることがありまして~」
「気分を悪くされたら申し訳ないのですが~」
いきなり苦情を入れるのではなく、丁寧な前置きから始めます。
すると相手は、これから悪い話が始まるとわかるので、心の準備ができます。
苦情を言っても、比較的、素直かつ穏便に受け入れてもらいやすくなるのです。
丁寧な前置きは、優しさの表れです。
ほんの一言の前置きですが、あるかないかで、まったく印象が違います。
苦情は、丁寧な前置きから始めたほうが、優しい印象になります。