優しい人は、配慮があります。
「配慮」と一言で言っても、大きく分けると3種類あります。
目配り・気配り・心配りです。
接客業界でよく使われる言葉ですが、優しい人になるためにも欠かせないポイントです。
それぞれ同じ意味に思えるかもしれませんが、厳密には異なります。
それぞれの違いを理解して、優しい人になるための配慮をして生かしましょう。
目配りとは、細かい点まで注意を向けて、様子を確認することを言います。
相手の様子をきちんと見ないと、相手のこともわかりません。
細かい点まで注意を向けると、相手の心や体の状態を推し量れるようになります。
相手の様子はすべて、心身の状態を読み取る材料。
外見の様子だけとはいえ、さまざまなことが読み取れます。
たとえば、相手の顔色が悪いなら「体調が悪いのだろうか」と想像できるでしょう。
相手が何度もまばたきをしているなら「目が疲れているのだろうか」と察しできます。
大きなあくびをしたなら「睡眠不足なのかな」「退屈なのだろうか」といったことも読み取れるはずです。
相手の様子から心身の状態を察することで、相手に喜ばれる対応も見えてきます。
目配りの後に必要なのは、気配りです。
気配りとは、自分の立場から見て、相手が求めていることを想像して、行動を先回りすることをいいます。
目配りによって読み取れたことがあれば、気配りとして、相手を思いやって気をつけることはないか考えることが大切です。
たとえば、相手が何度もくしゃみをしているなら、風邪を引きかけているのかもしれません。
ティッシュをそっと差し出したり、休憩を促したりすると喜ばれるでしょう。
相手が暗い表情でため息をついたなら、悩み事を抱えているのかもしれません。
「何かあったの?」「何でも話を聞くよ」という優しい言葉をかけると、相手は心を開いて、何か話してくれるかもしれません。
心配りとは、相手のためになるような行為行動を言います。
気配りと似ていますが、厳密には次のような違いがあります。
心配りは、相手の立場に立っていることがポイントであり、本人にとってよいとすることを行います。
気配りは、相手に喜ばれるとは限りませんが、心配りは必ず相手に喜ばれます。
たとえば、相手の悩み事を聞いたとき、共感や同情をして励まします。
一緒に苦しみをわかち合えば、相手は癒されたり元気が出たりするでしょう。
相手が仕事を頑張りすぎている様子なら「無理をしないで」という優しい一言をかけます。
タイミングよく気の利いた一言をかけると、相手は愛情や優しさを感じてくれるでしょう。
目配り・気配り・心配りの3つは、どれも欠かせない人間関係の要素です。
優しい人になるためには、それぞれをバランスよく心がけていくことが大切です。