西洋料理では「ナイフとフォーク」を使って食べますが、和食では「箸」を使います。
もちろん個人差はありますが、一般的に、箸を使うほうが難易度が高いように思えます。
たった2本の棒です。
この2本の棒だけで、切ったりつまんだりするわけです。
使いこなすには、ある程度の器用さが必要です。
日本人とはいえ、子どもが箸を使いこなせるようになるまでには、時間がかかります。
良くも悪くも、この箸の文化が、日本に大きな利益をもたらしました。
日本は、技術大国と言われます。
小さな精密機械を作ったり、布に細かい縫いとりを施したりなど、小さなことを手際よく処理するのにたけています。
日本人は小さなことに気を使いやすく、注意を払う性格の人が多いです。
それは、箸を使う文化が影響しています。
日本人にはごく当たり前の箸ですが、知らずのうちに手先を器用にする運動性の向上に貢献しています。
その結果、日本人は手先の器用さが要求される仕事が得意になり、技術大国になりました。
箸を使うのは面倒だと思いますが、その裏に隠された恩恵に気づきましょう。
その使いにくさが、いつの間にかあなたに恩恵をもたらしているのです。
箸を使えば使うほど、面倒さが恩恵に転化されるのです。