会席料理は、季節によってメニューが大きく変わります。
「一汁三菜」という基本は変わりません。
何が変わるのかというと「使われる食材」が大幅に変わるのです。
イタリアン、フレンチ、中華においても、食材が変わることは一般的ですが、和食の場合は特に顕著です。
これは、どういう意味でしょうか。
何気なく、食材を変えているように思えますが、大切な意味が込められています。
日本といえば、四季の変化が大きい国です。
春は暖かく、夏は暑く、秋は涼しく、冬は寒い。
世界でも、これほど四季の変化が大きい国は、日本くらいです。
日本の代表的な料理である会席料理には、その季節に合わせた食材を使うのが一般的です。
食事を通して、季節感まで味わってほしい意味が込められています。
また、季節感を目で楽しんでほしい意味もあります。
気づきにくいかもしれませんが、いま一度、食材に目を向けてみましょう。
食材の一つ一つに、意味があります。
春の食材と言えば、イチゴ、メバル、アサリ、フキノトウ、タケノコ、サヤエンドウ。
夏の食材といえば、モモ、アジ、ウニ、カボチャ、キュウリ、エダマメ、スイカ、シシトウガラシ。
秋の食材といえば、ブドウ、イワシ、サンマ、クリ、ナス、マツタケ、ギンナン。
冬の食材といえば、ミカン、リンゴ、ヒラメ、アンコウ、ホウレンソウ、レンコン。
料理を口にしながら、季節感を味わうと、会席料理がよりおいしくいただけます。
季節によってメニューが変わるのは、そういう意味が込められているのです。