執筆者:水口貴博

和食の30の食事マナー

30

食べ残しは、料理人への改善のメッセージになる。

食べ残しは、料理人への改善のメッセージになる。 | 和食の30の食事マナー

出された食事はすべて食べきるのがマナーではありますね。

残らずきれいに食べ終わった器は「大変おいしい料理でした」というメッセージです。

きれいに食べきる。

しかし、状況によって、必ずしもそうとは言えません。

食べ残すほうがいい、特殊な場合もあります。

たとえば、料理に何らかの不備があった場合です。

料理が口に合わなかった。

焼き具合が悪かった。

ときどき料理に対して、不満を抱くことがあります。

そういうとき、無理に食べる必要はなく、残してかまいません。

むしろ残したほうがいいでしょう。

無理をして食べても、自分が不愉快になるだけです。

残された料理を後から給仕が見ると「おいしくなかったのかな」と思います。

ここがポイントです。

思われるからいいのです。

わざと残すのも、場合によっては必要です。

残すことで料理人に「おいしくなかった。悪い点があった。改善してほしい」というメッセージになるからです。

料理人は、残された食事を見て「何らかの不備があったのではないか」と感じ取り、改善してくれるはずです。

料理に不備があれば、わざと残すのです。

間接的に料理に対するクレームになり、料理人には改善するきっかけになります。

和食の食事マナー(30)
  • 料理に何らかの不備があれば、わざと残す。
まとめ

和食の30の食事マナー

  1. 日本人の手先の器用さは、箸の文化が作った。
  2. 和食マナーの最大のポイントは、箸の使い方。
  3. 箸先は、その人の育ちや教養が垣間見える部分。
  4. 箸使いの美しさは、箸を取るときから始まっている。
  5. 前かがみになり、自分から食器に口を近づけて食べるのはマナー違反。
  6. 和食では、原則としてハンカチは使わず、懐紙を使う。
  7. 懐紙を使う、主な3つの場面。
  8. せっかく汚れを隠すために懐紙を使っても、その場に残していくのは意味がない。
  9. 懐紙は、普段はメモ用紙として持参すれば、邪魔にはならない。
  10. 割り箸は、左右に割るのではなく、上下に割るのが正しいマナー。
  11. 「食べ方は個人の自由」自由と思えるこの言葉には、思わぬ危険が含まれている。
  12. 季節によって会席料理のメニューが変わる大切な意味とは。
  13. 蓋付きの吸い物は、できるだけ早めに手をつける。
  14. 吸い物の蓋が開けにくいときの上手な対処法。
  15. 吸い物の貝が問題だ。
    さて、どう食べる?
  16. 吸い物の蓋を開けたときの水滴。
    あなたはどうしていますか。
  17. ご飯を口に含めたまま香の物を食べるのはいいが、吸い物をいただくのはよくない。
  18. 器を移動させるときの2つの注意点。
  19. 取った蓋は、盆の外に置くのがポイント。
  20. 箸を持ったまま、片手で器を持ち上げない。
  21. 手に持ってよい器。
    手に持ってはいけない器。
  22. 魚の骨の間から、身をつままない。
  23. 刺し身を食べるとき、醤油にわさびを混ぜるのは、控えたい食べ方。
  24. ご飯をおかわりするときのマナー。
  25. 食事中、箸を休めるときのルール。
  26. 使い終わった箸のマナー。
  27. つまようじは、使い方に注意が必要。
  28. 食べ終わった器を重ねない。
  29. おしぼりは、手を拭くためのもの。
    それ以外の用途で使わない。
  30. 食べ残しは、料理人への改善のメッセージになる。

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