夫と妻とでは、仕事の「種類」や「立場」が異なるだけで、大変さに大きな差はありません。
夫は、会社で「大人数による協力の大変さ」があります。
妻は、家の中で「少人数による孤独の大変さ」があります。
夫も妻も、同じくらいの仕事量です。
さて、ここまではまだ前座です。
私が本当に伝えたかったのは、次の点です。
多くの夫が、最も考慮を忘れている点です。
それが「男性と女性との体力と力の差」です。
夫と妻とで仕事量に大差があるので、夫から見ると、妻の仕事は楽だし簡単だと思います。
仕事量が少なくて、仕事に力も必要ないものばかり。
それは誤解です。
力と体力のある男性からみるからそう見えるだけで、力と体力が小さい女性には精いっぱいです。
そのうえ、協力してくれる人が限られていますから、求められる助けにも限りがあります。
忘れてならないのは生理です。
月に1回は、必ずおなかが痛む時期がやってきます。
個人差はありますが、生理はおよそ1週間続きます。
そう考えると、1カ月のうち4分の1は、痛いおなかを我慢しながら仕事をしています。
生理で出血しますから、貧血にも悩まされます。
力も体力もなく、助けてくれる人が少ない状況の中、1カ月の4分の1は痛いおなかを我慢しながら仕事をしている。
貧血気味で、いつもふらふら。
この状況を、夫は考えたことがあるでしょうか。
妻は妻なりに、激務をこなしています。
おなかが痛くても、なかなか休めない。
体調が悪いときに動くのはつらいことです。
こうした状況を考慮に入れると、夫も大変ですが、妻も負けないくらい大変です。
いえ、時と場合によっては、夫より妻のほうが大変である状況もあることでしょう。
過小評価しがちな妻の仕事を、夫はもっと評価してもいいのです。