「失敗はしてはいけないものだ」という認識があります。
子どもに限らず、大人もそうです。
失敗という言葉には、悪い印象があります。
事実、精神的なインパクトは大きいです。
失うこともあるでしょう。
失敗は、あるよりはないほうがいい。
しかし、です。
「完全に失敗を避ける」というのは不可能です。
「絶対に自動車事故を起こさない」という前提だと、運転できなくなります。
どんなに一生懸命に勉強したテストでも、100点が取れるとは限りません。
思わぬ難問が出題され、点を落としてしまうこともあるでしょう。
どんなに練習をしたスポーツでも、必ずしも試合で勝てるとは限りません。
上には上がいます。
想定できないことがあるから「想定外」という言葉があります。
親として気になるのは、子どもがうまくいったかどうかでしょう。
考え方を転換しましょう。
実のところ、大切なことは「失敗したかどうか」ではありません。
「全力だったかどうか」です。
ここです。
子どものときほど、失敗経験は多いものです。
わからないことやできないことだらけですから、失敗は起こるべくして起こります。
そんなとき、親として注目すべき点は「子どもが全力を尽くしているかどうか」です。
全力なら、結果が失敗でもきちんと成長へと変わります。
残念な結果ではありますが、自分なりのベストを尽くしましたから褒めてあげましょう。
しかし、全力を出していなければ、たとえ成功したとしても、喜ぶべきではありません。
単なるまぐれです。
勉強していないにもかかわらず、テストの結果が良ければ、選択問題で適当に回答した正答率がよかっただけです。
実力ではありませんし、成長の結果でもありません。
全力を尽くしていないと、たとえ成功でも本人のためにはなりません。
親は子どもに、次の言葉をかけてあげましょう。
「失敗してもいいから、全力を尽くしなさい」と。
失敗を前向きに肯定する言葉です。
子どもに教えるべきことは「全力を尽くす習慣」です。
全力を出しさえすれば、失敗はしてもいい。
全力を尽くして物事に取り組む習慣さえあれば、結果はどうあれ、本人はきちんと成長できるからです。