勝負では、他人と比べて勝つことではなく、自分が全力を出し切れたかどうかに意識を向けることです。
子どもを育てるときも、勝ったから褒めるのではなく、全力を出し切ったことを褒めるようにしましょう。
「子どもに褒めるところがない」と言う親がいます。
そんな親は、決まってご近所の子と比べている親です。
いつも自分の子どもを、よその子と比べてばかりいるために、長所より短所のほうが際立って、目につくのです。
できることは当たり前のことと思い、できないことばかり口にして子どもを落ち込ませています。
できないことばかりに目が向いてしまっているため、子どもを褒めることが少ないのです。
子どもには、褒めるべき点がたくさんあります。
一生懸命になったときや全力を出し切ったときは、間違いなく褒めるべき瞬間です。
子どもの日常では全力を出すべき瞬間はたくさんありますから、それだけ褒める瞬間もたくさんあります。
私は子どものころ、走るのが速かったため、運動会ではよくリレーの選手として出させてもらっていました。
運動会にはもちろん親も見に来ています。
「じゃあ、今からリレーに出てきます」と言うと、いつも親は「全力を出し切ってきなさい」と私に言いました。
決して「A君に勝ってきなさい」という言い方はしませんでした。
自分に対して常に全力なら、常にベストな状態であると言えます。
それでいてリレーの結果がどうであろうと、私が全力を出し切ったなら、それだけで褒めてくれます。
当時は子どもだった私ですが、このように育ててもらったことが、今では大きな財産になっています。