自分に合った情報は、自分が体験したうえで決めることです。
この結論は、数多くの失敗をした私だからこそ、自信を持って言えます。
私は中学生のころ、通信販売で、人気のスポーツ用具を購入したことがあります。
その通信販売には「10万人もの人が使っています」という宣伝が載っていました。
「えっ。10万人も使っているのか。すごいなあ。これはいいに違いない」
私は利用者の多さに驚き、興奮しました。
「10万人もの人が使っています」という記載があると、自分も買わないと仲間外れであるような気がします。
自分に合うかどうかを確かめもせず「10万人も使っていれば、大丈夫だろう」と軽く考えて、勢いで申し込んでしまったのです。
購入した後、自分には合っていないことがわかりました。
今、そのスポーツ用具は、押し入れの奥でほこりをかぶっています。
失敗に終わった、典型的な話です。
さて、私がお伝えしたいのは「数字のトリック」についてです。
数字とは怖いものです。
よく考えてみましょう。
「10万人」と聞くと「とてもたくさんの人だ」と思います。
しかし、日本の人口が1億人とすれば、10万人は、たったの「0.1パーセント」です。
1パーセントすら、達していないではありませんか。
10万人と聞けば「そんなにたくさん」という感覚になります。
しかし「0.1パーセント」と聞けば「たったこれだけ」という感覚に変わります。
どちらも、数に変わりはありません。
ただ数字の表現方法を変えただけです。
これが数字のトリックです。
世の中に氾濫する数字を、あらゆる角度から見て、真実を見抜くことです。
10万人、100万人とはいえ、全体から見れば、1パーセントにも達していないことがあります。
10万人も使っているから、必ず私にも合うと思うのは、早合点です。
1パーセントしか実績がないのですから、むしろ合わない確率のほうが高いくらいなのです。