生まれつき、運動神経がいい人。
生まれつき、音楽の才がある人。
生まれつき、話をするのがうまい人。
運動神経がいい人は、スポーツ選手として活躍できる素質があります。
音楽の才がある人は、将来ミュージシャン、作曲家、作詞家として活躍する可能性があります。
話をするのがうまい人は、お笑い芸人、落語家、アナウンサーといった道もあるでしょう。
先天的な能力を、私たちは一般的に「才能」と呼びます。
才能と聞くと、努力や勉強もせずに、何でもできるというふうに思う人がいます。
ここを勘違いしている人が多いのです。
本来、才能がある人は、社会と人とが活用できるために、普通の人以上に勉強と努力をしなければならない宿命が待ち受けています。
生まれつきの才というだけで「楽でいいな。運がいいな。羨ましい」と思うのは、早合点です。
才能とは「ほかの人より少し伸びが早い」というだけの話です。
さらに、人と社会のために活用できるくらい伸ばすには、膨大な勉強と努力が必要です。
本当に大変な人とは、才を持った人のことなのです。
世界的に有名な、元世界ヘビー級チャンピオンであるモハメド・アリは、ボクシング史上屈指の偉大な人物の1人です。
「チョウのように舞い、ハチのように刺す」言葉は、モハメド・アリの華麗なボクシングスタイルを形容してできた言葉です。
アリは、自分が人一倍恵まれた才能を持っているからこそ、努力が必要だといいました。
素早いフットワークと強さに恵まれた才能を持っていたアリですが、素晴らしい点は、才を眠らせなかったことです。
才があるからこそ、社会と人のために伸ばし、生かせたため、人一倍の努力と苦しみの道を歩んだのです。