「最悪のトラブル」という口癖の人がいます。
ことあるたびに「最悪のトラブル」と口にします。
仕事でミスをしたとき「最悪のトラブルだ」と騒ぎます。
友人と喧嘩をしたら「最悪のトラブルだ」と騒ぎます。
給料日前、金欠になったら「最悪のトラブルだ」と騒ぎます。
どれも言い過ぎです。
最悪とは、言葉のとおり「最も悪い」ということです。
たしかに世の中には最悪のトラブルもあります。
最悪のトラブルとは、命に関わるトラブルのことをいいます。
「トラブルに対処できなければ死ぬ」という極限の状況であれば、たしかに最悪のトラブルと言えるでしょう。
しかし、命に関わるトラブルを除けば、大したことはありません。
最悪のトラブルは、そうそう起きるものではありません。
「最悪のトラブルだ」という口癖があると、悪い錯覚が引き起こされます。
小さなトラブルを大きなトラブルだと錯覚します。
簡単なトラブルを難しいトラブルだと錯覚します。
焦る必要はないのに、余計な焦りを感じてしまうのです。
これほど損な話はありません。
大げさにトラブルを捉え、自らストレスを大きくさせている状態です。
自分に余計なストレスを与えたところで、つらいのは自分です。
トラブルを難しくさせたところで何の得もありません。
口癖で日常的に使っていると「トラブルに動揺しやすい体質」となります。
仕事でミスをしたら、修正すればいいだけです。
会社を首になることがあれば、新しい就職先を探せばいいだけです。
友人と喧嘩をしたら、きちんと謝って仲直りすればいいだけです。
仮に仲直りが難しいのであれば、気持ちを切り替え、新しい友人を作る手もあります。
給料日前、金欠になったら、節約を頑張って乗り切ればいいだけです。
完全にお金が足りなければ「お金を借りる」という手段もあります。
これだけのことです。
最悪のトラブルと言いますが、実際は最悪でも何でもないのです。
「最悪のトラブル」という口癖があるなら、直しておくことをおすすめします。
悪影響があるばかりで、良いことは1つもありません。
「最悪のトラブル」というセリフが使えるのは、命に関わるトラブルのときだけです。
「最悪のトラブル」と言うくらいなら「大変なトラブル」と言い換えるほうがまだ健全です。
言い方ひとつで、感じ方はがらりと変わります。