ボージョレ・ヌーボーといえば、絶妙なキャッチコピーで有名です。
ワインの出来栄えは天候によって左右されます。
好天に恵まれて豊作の年もあれば、悪天に悩まされて不作の年もあります。
不作だからといって「今年の出来栄えは悪い」とストレートな表現をするわけにはいきません。
ワインの売れ行きに影響します。
そこでボージョレ・ヌーボーは、豊作の年はもちろん、不作の年でも、絶妙なキャッチコピーをつけて魅力的に表現します。
2007年のキャッチコピーは「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」。
2008年のキャッチコピーは「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」。
2009年のキャッチコピーは「50年に一度の出来栄え」。
2010年のキャッチコピーは「爽やかでバランスが良い」。
2011年のキャッチコピーは「出来が良く、豊満で絹のように滑らかな味わい」。
キャッチコピーだけ見ると、毎年が当たり年のように見えますね。
ボジョレー史上最悪の不作と言われた2012年でさえ、絶妙なキャッチコピーで魅力的に表現しました。
「糖度と酸度のバランスが良く、軽やかでフルーティーな仕上がり」
もはやボージョレ・ヌーボーに不作は関係ありません。
ボージョレ・ヌーボーは絶妙なキャッチコピーの効果もあって、毎年大きな売上を上げています。
私たちも、ボージョレ・ヌーボーの絶妙なキャッチコピー術から学びたい。
豊作でも不作でもいいのです。
不作なら不作なりの良さがあるでしょう。
成功でも失敗でも、アタリでもハズレでもいいのです。
大切なのは「光の当て方」です。
正面が悪ければ、別の方向から光を当てて見ることにしましょう。
光の当て方を変えると、別の姿に変わります。
結果に関わらず、光の当て方を変えれば、必ず絶妙なキャッチコピーが生まれます。
キャッチコピーの力があれば、もはや怖いものはありません。
何でも魅力的に見せることができるのです。