一概に引きこもるのが悪いことではありません。
皇室のご先祖の神様といえば、天照大神です。
天照大神には素戔嗚尊という弟がいましたが、粗野な性格で力も強く、いつも粗暴な振る舞いが目立っていました。
しかもいたずらが好きで、天照大神は日頃からずいぶんと悩まされていました。
そんなある日、天照大神は「もう我慢できない。限界だ!」ということで天の岩屋戸に引きこもりました。
神様が引きこもったため、世の中は光を失い、真っ暗になります。
このままではいけないということで、八百万の神様は天の岩屋戸から出てくるよう、あれこれ知恵を出します。
岩屋戸の前で踊ったり歌ったり手を叩いたりなどどんちゃん騒ぎをして、にぎやかな雰囲気を演出しました。
しばらく引きこもっていましたが、天照大神は外のにぎやかな様子が気になり、天の岩屋戸から出てくることになります。
これが有名な天の岩屋戸神話です。
神話といえば聞こえはいいですが、言い方を変えれば「日本史上初の引きこもり事件」「最も有名な引きこもり伝説」です。
「引きこもる」という言葉はネガティブな意味で使われることが多いですが、一概には言えません。
あの天照大神でさえ引きこもったのですから、私たち人間も限界のときは引きこもるのもありです。
限界のときは、しばらく部屋にこもって、ひたすら寝まくることです。
あらゆる刺激も情報もシャットアウトです。
何もしない時間を過ごすことも大切です。
しばらく外の世界と断絶した時間を送るのも悪くありません。
天照大神のように、限界のときは堂々と引きこもればいいのです。
ここに罪悪感は必要ないのです。
ただし、ずっと引きこもったままではよくありません。
落ち着くまでの一時退避です。
普段の自分を取り戻すまでの休憩であり、人生の夏休みです。
また元気を取り戻したら、きちんと表に出て、日常活動に戻ることが大切です。
「絶対引きこもってはいけない」より「引きこもることもあっていい」と考えるほうが、人生を生きやすくなります。