学生時代の勉強は「記憶力」「思考力」が中心でした。
重要なことをきちんと覚え、難しい問題をしっかり考えて解けるようになることで、高得点が得られました。
記憶力と思考力が優れている人ほど、よい成績を取ることができました。
しかし、社会人になってからの勉強は違います。
社会人の勉強は「気づく力」です。
いかに小さなことに気づけるかです。
どれだけ記憶力や思考力が優れていても、気づく力がなければスムーズにやっていけません。
気づく力が上がれば上がるほど、見えないものが見えるようになります。
普通の人が見逃すところに気づくから、細やかな配慮ができます。
「鋭いね」「気が利くね」「さすがですね」と感心されます。
たとえば「ごみ箱がすぐいっぱいになる」という状況があるとします。
気づく力のない人なら「ごみ箱がいっぱいだ」という程度しか思いませんが、気づく力のある人は違います。
「ごみ箱が小さいから大きなごみ箱に買い換えたほうがいいかな」
「ごみの量が増えているのかもしれない。何か異変が起こっているのではないか」
「別の部署の人がごみを持ち込んでいるのではないか」
いっぱいになったごみ箱から、さまざまな気づきを見いだします。
潜在的な問題点にも気づけるため、トラブル防止にも取り組めるようになります。
「仕事の差は気づきの差」と言っても過言ではありません。
気づくから改善でき、改善できるから仕事が洗練され、仕事が洗練されるからますます仕事が面白くなります。
これは、ごみ箱の例に限りません。
気づく力があると、あらゆる場面で応用できます。
気づく力が向上すると、もう1つ素晴らしいことがあります。
それは「日常が冒険になる」ということです。
気づく力が上がるということは「見えないものが見えるようになる」ということです。
どんどん気づけるようになると、驚いたり感動したりすることが増えます。
「このトラブルは、考え方を変えると、チャンスだよね」
「この出会いには、何か意味があるはずだ」
「今まで気づかなかったけど、ここにこんなものがあったのだね」
「つまらないように見えるけど、自分の考え方次第で面白くなるよね」
「料理は、味だけでなく器も見ると、もっと味わいが深くなるね」
見るもの・聞くもの・触れるものすべてに解釈を加えることで、意味を見いだせます。
何らかの発見ができ、感動できるようになります。
それは日常において、楽しいこと・面白いことが増えることを意味します。
わくわくどきどきする機会も増える。
気づく力が向上すると、日常がもっと明るく華やかになります。
気づく力が上がると「次はどんな発見があるだろうか」とわくわくできるので、日常のすべてが冒険になるのです。