仕事で一番苦労するのはどこでしょうか。
実は「仕事そのもの」ではありません。
「取りかかるまでの一踏ん張り」です。
しなければいけない仕事があっても、私たちは何かと言い訳をしてなかなか取りかかりません。
「後からしよう」
「きりのいいところで始めよう」
「気分が乗ったときに始めよう」
「このテレビを見終わってから始めよう」
「来週から始めよう」
あなたも一度は心当たりのあるセリフではないでしょうか。
ところが面白い現象が起こります。
「後からしよう」と言いながら、いつまで経っても取りかかりません。
「きりのいいところで始めよう」と思っていると、なかなかベストタイミングが決められず、いつまで経っても始められません。
「気分が乗ったときに始めよう」と思いますが、気分の乗らない時間が過ぎるばかりです。
「この番組を見終わってから始めよう」と思っていると、番組終了と同時に次の番組が始まって、再びくぎ付けになります。
「来週から始めよう」と思い、実際そのときになると、再び「来週にしよう」と延期します。
人生はこの繰り返しです。
なかなか重い腰が上がりません。
何度も延期を繰り返すばかりで、肝心の仕事に取りかかれません。
気づけば、締め切り間近になっています。
「大変だ。間に合わない!」と大慌てになるオチが待っているのです。
一番大変なのは、仕事そのものではありません。
仕事に取りかかるまでの一踏ん張りです。
最大の難関は、最初にあります。
大切なのは「まず取りかかること」です。
ひとたび取りかかれば後は早い。
流れと勢いに乗ってすらすら進んでいきます。
慣性の法則が働くため、中断するほうが難しくなります。
あれよあれよと物事が進んでいきます。
気づけば仕事が終わっているのです。
このことから、私たちはある法則に気づきます。
「何事も取りかかった時点で、半分終わっている」ということなのです。
家事、仕事、勉強。
すべて取りかかった時点で半分終わっています。
大げさなことではありません。
実際にそうです。
何事も取りかかった時点で、半分終わっています。
取りかかった時点で「取りかかる」という最も困難な仕事を完了できています。
すでに一番大変な山場を越えているのです。
この事実に気づけば、気が楽になるのではないでしょうか。
「時間がかかりそう」と思うことは、そう見えるだけです。
実際に取りかかると、意外と早く終わるでしょう。
「難しそう」と思うことはそう見えるだけ。
実際に取りかかると、意外と簡単だと気づくでしょう。
あなたは今、しなければいけない仕事を放置しているところかもしれません。
思い出してください。
「何事も取りかかった時点で、半分終わっている」という言葉を。
仕事を半分終わらせたいなら、まず取りかかりましょう。
何か言い訳を言いそうになれば、口にチャックをして手足を動かすことです。
実際の仕事を半分終わらせる必要はありません。
まず取りかかるだけでいいのです。
「ちょっとだけやろう」という軽い気持ちでOKです。
取りかかった時点で、仕事が半分終わったことになるのです。