人の本性は、勝ったときには現れません。
勝ったときは、スマートでかっこいい。
笑顔があり、花があり、祝福の明るい雰囲気があります。
周りから称賛されるので、堂々と胸を張れます。
勝ったとき、誰もが輝かしい姿になるでしょう。
勝利の姿は、絵になります。
しかし、勝ったときの姿を、その人の本性と考えるのはよくありません。
機嫌がいいときは、普段より「いい人」になるもの。
勝ったときはポジティブな感情に包まれます。
幸福と満足感に満たされていて、誰もが上機嫌になります。
機嫌がいいときは、優しくなったり明るくなったり寛大になったりします。
少々嫌なことがあっても「気にしなくていいですよ」とすんなり許せます。
一時的にポジティブの魔法にかかります。
そのため、その人の本性は、勝ったときに現れないのです。
いつ人の本性が現れるか。
勝ったときではありません。
負けたときです。
ミカンをぎゅっと握ると、中の果汁が飛び出ます。
圧力がかかると、中身が出てしまいます。
これは人も同じです。
負けたときは、強いストレスがかかるため、その人の内側が表に露出します。
隠そうと思っても隠しきれません。
嫌でも外に出てしまいます。
ありのままの状態が噴出します。
負けたときこそ、その人の本性が現れてしまうのです。
弱い人は、負けたとき、言い訳をして自分を正当化させます。
なかなか負けを認めず、わめき散らしたり責任転嫁をしたりします。
悔しい気持ちに押しつぶされ、そのまま泣き崩れます。
強い人は、負けたとき、言い訳をしないで結果を受け止めます。
きちんと負けを認め、しっかり反省して、次に生かします。
悔しい気持ちをバネに変え、大きな飛躍を遂げます。
あなたはどちらの人間ですか。
負けたときこそ、振る舞いに注意しましょう。
壊れそうな自分を抑え、感情が乱れそうな自分をコントロールすることです。
「負けたときは振る舞いが乱れても仕方ない」と考えるのはよくありません。
「負けたときこそ振る舞いに注意する」と考えることです。
人間は感情の生き物ですが、それをコントロールする能力も兼ね備えています。
負けたときこそ、人の真価が試される瞬間です。
あなたの本性が現れる瞬間ですから、十二分な注意が必要です。
負の感情が湧き起こっても、ぐっと耐えてください。
負の感情は、成功に向けて昇華させましょう。
怒りはパワーに変え、悔しさはバネに変え、悲しさは行動力に変えます。
負けたときの振る舞いが美しければ、あなたは本物です。