世の中には、自分より優れた存在がいます。
自分より成績の良い人。
自分より能力の高い人。
自分より経験や実績が豊富な人。
どの世界でも、上には上がいるもの。
自分より優れた人がいると、お手本にもなります。
「努力して頑張って、いつかあの人に追いつきたい」
もちろん追いつこうと思うのは自然です。
自分より先を進んでいる先輩がいると、いつか追いつきたいと思うでしょう。
自分より優れた人がいると、刺激をもらえるだけでなく、励みにもなります。
前を走る人がいれば、何とか自分もペースを上げて、追いつきたいと思う。
そして、チャンスがあれば、いつか追い抜きたいと思うはずです。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
残念ですが、追いつこうと思っていると、追いつけないでしょう。
最終目標が追いつくことになっているからです。
「追いつけたらいいね」という程度の意識では追いつけません。
追いつくのが最終目標では、まだまだ夢が小さい。
追いつくには、もっと加速力を上げなければいけません。
勢いなりスピードなりアイデアなり、周囲をあっと驚かせるような力が必要です。
にもかかわらず、追いつくことが目標になっていると、なかなか加速力が出ません。
「またチャンスがあるよね」「少しくらいサボってもいいよね」と怠け心が出てきます、
頑張れば何とかなりそうな目標だからこそ、自分に甘えてしまい、なかなか頑張れない。
加速力が足りず、かえって差が離されることも少なくありません。
追いつこうと思っていると、追いつけないのです。
では、どうするか。
追いつこうと思うのではありません。
追い抜こうと思うのです。
「まず追いつくのが先。追い抜くのは追いついてからでいい」
そう思うかもしれませんが、目標の順番に決まりはありません。
追い抜こうと思うと、今の取り組み方ではまったく不十分だと思うでしょう。
「もっと努力が必要。もっと大きなパワーが必要。もっと大胆なアイデアが必要」と思います。
追い抜くためには、そもそも戦略を一から見直す必要も出てくるでしょう。
いったん先入観や固定観念を取り除き、非常識に考える必要も出てきます。
そのとき「改革」と呼べるような、素晴らしい知恵やアイデアが湧き出てくるのです。
一気に加速力が上がり、追いつけます。
目標は、高く掲げるべきです。
高く掲げたほうが、加速力も行動力も出てきます。
目標は高くなるにつれて、志も高くなります。
追いつこうと思っていると、追いつけません。
追い抜こうと思っていると、追いつけるのです。