ある日、外食をしていたときのことです。
隣の席から、不思議な声が聞こえてきました。
「むかつく。ばか」
「どうしたのだろう」と思って、振り向くと、メイクをする女性が2人いました。
喧嘩をしているわけではありません。
食事をしながら、メイクをしているのです。
テーブルの上に手鏡を立てて、化粧道具を片手に、メイクをしています。
周りにはほかにもお客さんが入るというのに、よくここでメイクができるなと思いました。
「うまくいかない。悔しい」
「いらいらしてきた」
彼女は、食事中メイクをしながら、ぶつぶつ独り言を言っているのです。
アイメイクの繊細な部分で手元が震え、思いどおりに仕上がらないのでしょう。
メイクがうまくできない自分に、いらいらしている様子でした。
そうした様子に、心当たりはありませんか。
メイクに夢中になっていると、気づかないうちに独り言を言ってしまうものです。
そういうときの独り言は、自分に対する悪口になっていませんか。
独り言はいいのですが、罵声はよくありません。
鏡に映る自分に罵声を浴びせる様子は、上品ではありません。
自分に罵声を浴びせると、美しくなろうとするメイクの時間も様子も、けがれます。
なかなかメイクがうまくいかなくても、自分を責めないことです。
うまくいかないときには、無言で十分です。
その一方で、うまくできたときには明るい言葉をかけましょう。
「よし。うまくできた」
「いい感じ」
「きれい、きれい」
メイクの時間には、明るい言葉がふさわしいです。
メイクの見た目だけでなく、雰囲気から華やかになるのです。