振られたとき、思いました。
自分が振られる側でよかったと。
振られたとき、泣きました。
つらい思いをしました。
そのつらい思いを、相手にさせたくないと思ったのです。
もちろん振る側も精神的につらいでしょうが、振られる側のほうがもっとつらいです。
自分を否定されたような気になります。
一瞬、死をかすめるくらいです。
男女の恋愛のいざこざで起こった殺傷事件を、ニュースで目にすることがあります。
今ならその気持ちが少しわかります。
おそらく振られた側が、むかっとしたのでしょう。
事件を起こすのは、振られた側が多い。
すべてどうでもよくなって、やけを起こすのです。
振る側は、振られる側より少しは楽です。
でも、本当は、振る側より、振られる側になったほうがいいのです。
振られる側になれば、次の恋愛がしやすくなります。
振った話をすれば嫌な人と思われがちですが、振られた側になると、かわいそうだと同情してくれる人が大勢います。
「好きな人に振られた」と言えば、次のステップに踏みやすい。
しかも、自分の悪い点を反省しやすいのです。
スポーツでも、勝つより負けたほうが、学びが多いのと同じです。
振られる側になることで、自分の悪い点が見つかります。
振った側は自分の悪い点が見えにくいですが、振られた側は反省します。
見つかる側でよかった。
改善をすればいいのですから。
私は彼女から振られるとき「自己中心的で嫌」と言われました。
それが私の悪い点です。
何十年もの間、誰も言ってくれなかった一言を、聞けたのです。
悪い点がわかったのが、幸いです。
直していくべき点がわかったのです。