恋愛で慣れてしまうと、態度が悪くなると言います。
実際に慣れてしまうと、慣れていることすら、気づかないものです。
それを実感した出来事がありました。
真夏の炎天下の中、横浜の中華街をデートしていたときのことです。
彼女の動きが、いつもより、のろのろしていました。
「早くおいでよ。置くよ」
だらだら歩く彼女は、やる気がないのかと思いました。
私は見たいところがあるので、彼女を少しせかしました。
ゆっくり歩く彼女のことを考えていませんでした。
自分は普通だと思っていましたが、慣れているからこそ、普通だと思っていただけでした。
一緒に行ったテーマパークで、たくさん歩こうとする私に、嫌な顔をしました。
私は、ようやく気づきました。
完全に忘れていました。
男性が普通に女性を引っ張ろうとすると、無理な話です。
男性より女性のほうが、体格も体力も小さいわけです。
同じ環境の場合、女性のほうが先に苦しくなります。
普段なら気づくのかもしれませんが、彼女との付き合いに慣れてしまっていた私は、鈍感になっていました。
気づこうとする努力を怠っていました。
当時は「なぜのろのろしているのだろう」と思っていましたが、真夏の炎天下だったので、その体力がなかったのです。
気づけなかった自分に恥ずかしくなり、申し訳なくなりました。
男性ペースで、女性を引っ張るのではありません。
女性のペースに男性が合わせるのです。