私が本腰を入れて受験勉強を始めたのは、高校1年の冬からでした。
それまでは、勉強らしい勉強をしたことがなく、初めは手探りの状態でした。
勉強そのものに慣れていないため、効率が悪いものも多く、まずそこから改善しなければいけないと気づきました。
勉強法が悪いと、ざるで水をすくうようなものです。
覚えては忘れ、忘れては覚えるという繰り返しになり、効率が悪い。
その後、勉強法のマニアになりました。
学校の帰りにはいつも書店に立ち寄って、勉強法なる本を見ては「これは使えそうだ」という方法を探りました。
毎日立ち寄っていたので、書店の人には顔を覚えられていたと思います。
さまざまな本の、さまざまな著者が勧める勉強法は、多種多様でした。
合格体験記もかなり目を通しましたが、合格者ごとに勉強法も十人十色でした。
驚くべきことに、中には正反対のことが書かれているものもありました。
「勉強は夜のほうがいい」と書かれているものもあれば「勉強は朝のほうがいい」と書かれているものもあります。
「ノートをきれいに取ろう」と書いているものもあれば「ノートは取らず先生の話に集中する」と書かれているものもあります。
そういう内容を読んでいると、途中から頭がおかしくなります。
どれを信じていいのかわからなくなります。
右往左往していたとき、気づきました。
「どれがベストの勉強法であるかは、人それぞれである」
つまり、やはり自分に合った勉強法は、自分で見つけるしかありません。
著者が進める勉強法は、たしかに著者にはよい勉強法なのでしょう。
しかし、必ずしも万人に通用するものとは限りません。
これに気づけただけでも、大きな収穫でした。
人それぞれに合う勉強法は異なることに気づいた私は、さっそく片っ端から試していきました。
試してみなければ、合っているかどうかわからない。
大切なことは、まず試してみることです。
素直にまず試す。
ダメなら、不採用。
うまくいけば採用です。
うまくいったものは、もっと効果を伸ばすことができないか、さらに試行錯誤します。
自分らしい勉強法を確立していきます。
もちろん見つけるまでの作業は大変ですが、見つけることさえできれば、勉強ははかどるようになります。
そこで見つけることができた自分らしい勉強法は、受験期に限らず、社会に出てからも十分通用します。
もし、受験期に自分らしい勉強法を確立できていなければ、もうチャンスはありません。
受験ほどストイックになって勉強する時期だからこそ、勉強法を試しやすいです。
個性を見つけられる時期です。
私が今取り入れている勉強法のほとんども、やはり受験時代に培ったものです。
膨大な勉強をしなければならない状況に置かれるからこそ、知恵も働きます。
効果があるものと、そうでないものがよくわかります。
受験期は、自分らしい勉強法に気づく時期なのです。