回転寿司ではタイミングによって、干からびたねネタが回ってくることがあります。
作ってからしばらく時間が経ってしまうと、水分が蒸発して、色は変色し、ネタの品質が落ちてしまいます。
これは素人の目でも、はっきりわかるほどです。
握り寿司の売りの1つは、鮮度です。
しかし、回転寿司の場合は、作り置きをするため「鮮度の高いネタを手にしにくい」という欠点があります。
室内の温度や湿度にもよりますが、一般的に握ってから30分が限界といわれます。
厳しい品質管理をする店では、もっと短くて20分や10分の場合もあるようです。
一定時間を超えたものは、廃棄されます。
客が多いとネタの回転も速いので、新鮮な握り寿司が食べられやすいでしょう。
客の少ない時間帯などタイミングが悪いと、乾燥したねたばかりということがあります。
「タイミングが悪かったか」
しかし、悲観する必要はありません。
実はこういうとき、板前さんに注文すれば、握りたてのお寿司を握ってくれます。
「作り置きしているネタに手をつけず、別に注文するのは失礼ではないか」
良心をとがめる声が聞こえてきそうですね。
しかし、深く考えすぎる必要はありません。
板前としては、やはりできるだけ新鮮でおいしいネタをお客さんに提供したいと考えています。
逆に、乾燥したネタを無理に食べてもらうのは、板前としても心苦しいものです。
新鮮なネタを食べたいお客さんには、別途、握りたての注文を受け付けているのです。
お客さんのことを考えている板前ほど、笑顔とともに快く引き受けてくれることでしょう。
廃棄されるネタは、たしかにもったいないのですが、お客さんが満足してくれれば、リピーターになってくれます。
よい評判が広がれば、さらに客数は伸びるに違いありません。
そこで、元は十分取れるのです。