私の実家周りでは、よく野良犬がうろうろしているのを見かけます。
小学生のころ、学校からの帰り道、まれに野良犬と遭遇することもありました。
団体の場合なら、たいてい犬のほうが逃げていきますが、私が1人で帰っているときにまれに野良犬と会うこともありました。
しっぽを振って好意的に近づいてくればいいですが、出会うやいなやすでに警戒心を抱いて、牙を見せてうなる犬もいました。
お互いに警戒して、身動きが取りづらい状況です。
そんなとき、どう対応していいのか困りました。
走って逃げようとすると、なんと犬が追いかけて来たこともありました。
「噛み殺される!」
一瞬、覚悟を決めました。
幸い、私は走るのが速かったおかげで何とか振り切ることができました。
しかし「噛まれるのではないか」という恐怖体験を、今でも覚えています。
そんな話を祖父にすると、いいアドバイスをもらいました。
「犬から逃げるときには、走って逃げるのではなく、忍び足で逃げなさい」
そんな祖父のアドバイスのとおり、うなる犬を見かけたときには、ゆっくり忍び足で離れると、うまく振り切れるようになりました。
犬は「逃げようとするものを追いかけたくなる」という狩猟本能があります。
野生だったころ、野ウサギや小動物を追いかけて捕まえていました。
そのため、逃げようとするものを見かけると、狩猟本能に火がついて、余計に追いかけたくなります。
怖い犬と対面して逃げようとすると、逆に追いかけられるのは、そういう理由でした。
もし、野良犬と対面して緊迫した状態になれば、走って逃げたい気持ちを抑えて、逆にゆっくり離れたほうがいい。
そのほうが犬の狩猟本能を刺激せずに、うまく逃げることができます。
そういう機会は少ないかもしれませんが、いざというときに役立つかもしれません。