「さて、そろそろ犬に餌をやる時間だ」
食事の時間になり、ドッグフードを食器に入れて、犬に与えます。
いつもなら、しっぽを振りながら近づき、与えるやいなや食べ始めるというのに、今日に限ってなぜか口にしてくれない。
こういうときにまず考えられるのは「体調の異変」です。
しかし、様子を見るかぎり、特に問題なさそう。
散歩の距離も足取りも普通。
見た目も行動もいつもと変わりないのに、与えた餌だけ食べてくれないとすれば、1つ考えていただきたい可能性があります。
もしかして、ここ数日間、特別に豪華な餌を与えませんでしたか。
たとえば、お歳暮で余った豪華な肉を犬に与えたり、ご近所さんからもらったケーキを犬にも分けてやったりなどです。
いつもドッグフードなのに、ときどきこんな豪華な餌が登場すると、犬はもちろん大喜びです。
嬉しいのは嬉しいですが、やはり犬は「なぜ急に」と思います。
飼い主は「お歳暮の余り物だから」「ご近所さんからのおすそ分け」という理由で納得していますが、犬にはわかりません。
賢い犬は「何かをしたことがきっかけで豪華な餌が出てきたのかな」と思い始めます。
飼い主を試す手段として、与えられたドッグフードを食べるのを拒否するという行動に出ます。
「今日の餌を食べないで我慢したら、また豪華な餌が出てくるかな」という期待を抱いて、飼い主を試しています。
飼い主は、突然餌を食べなくなった犬に困惑するでしょう。
犬にはこうした行動パターンがあることをあらかじめ知っておくと、いざというとき慌てることがなくなります。
こういうとき、どういう対処をすればいいのでしょうか。
特別なことは不要です。
どうしても餌を食べなければ、一度、器を下げてください。
「食べようと思っていた餌がなくなった!」
犬はショックを受け、その後は与えられた食事を素直に食べてくれるようになるはずです。