ある日の夕方のことです。
私は銭湯に行くため、細い路地裏を歩いていたときのことです。
路地の曲がり角から大きなゴールデン・レトリバーが現れ、勢いよく走ってこっちに近づいてきました。
「歩いて」ではなく「走って」です。
逃げようと思いましたが、細い路地という場所のため、逃げようがなかった。
「危ない。噛みつかれる!」
男なのに「きゃっ!」という女性のような声を出して、身構えてしまいました。
しかし、犬が近くによると、特に何もすることなく襲われることはありませんでした。
どうやら人懐こい犬のようです。
その後飼い主と思われるおばあさんが現れて「ごめんね」と言いながら近づいてきました。
正直言って、心臓には悪い体験でした。
ときどきこういうケースがあります。
自分で飼っている犬はとてもおとなしくて、人にもなれ、吠えることもない。
しつけもよくされている。
問題ないと思って、散歩のときにリードを外してしまう飼い主がいます。
基本的に、飼い主は散歩のとき、リードを外してはいけません。
放し飼いでよいとされる場所や管理されている場所ならいいですが、一般の公道は厳禁と思っていいでしょう。
日本の場合ですが、それぞれの都道府県が定める条例に、リードを外してはいけないという規定を設けている都道府県もあります。
そもそもマナーとしてリードを外すべきではありません。
飼い主はよくても、ほかの人が迷惑です。
私のように近づいてきた犬に対して驚くのは当然です。
また人によっては正当防衛のため、逆に攻撃し返す人もいるかもしれません。
世の中には、犬が大の苦手な人もいますし、犬に対して皮膚アレルギーを持っている人もいます。
「では、車も人も少ない田舎ならいいのでは」
たしかに車や人が少ない場所ならよいような気がしますがどうでしょうか。
そのときはいなくても、ふとしたタイミングで車が現れて引かれる可能性もありますし、人が家から出てくる可能性もあります。
リードから離して迷子になり、そのまま飼い主のところに戻ってこなくなる可能性もないとは言い切れません。
人の安全面を最優先に考えて、外出する際は犬をリードにつないでおくほうがいいのです。