今、子離れできていない親が増えています。
「親離れ」という言葉があります。
子どもが親元を離れ、自立して生きていこうとすることです。
しかし、大切なことを見落としているほうが多いです。
子離れです。
親と子の関係で、まず離れようとするのは、ほとんどが子どもからの場合です。
子どもは思春期のころから、自分のプライベートを持ちたがり、自分の個性を確立させていきます。
自分から進んで興味を示し、進んで行動します。
ある人は都会に出たいと恋い焦がれるし、ある人は自分の部屋を持ちたい、一人暮らしをしたい、と思います。
その結果、若いときに親元を離れ、自分で自立しようとします。
私が高校時代にやっていた体操部には、女の子のマネージャーが1人いました。
彼女は、田舎からやってきた子でした。
高校は愛媛の中心街に近い場所にありましたが、彼女の実家は、愛媛の山奥にあります。
市や町ではなく、村なのです。
高校に入るときに、愛媛の都会の方に1人で出てきて、一人暮らしをしていました。
私は学校の帰りに、部屋を見せてもらったことがありました。
小さな部屋でしたが、きれいな部屋で整理整頓されていました。
私は「すごい」と思いました。
高校1年の女の子が、1人で生活するのは、なかなかできることではありません。
私が高校1年のときは、まだ甘えて親と一緒に暮らしていたため、1人で生活している彼女が大人びて見えました。
次に驚いたのが、彼女の親です。
高校1年の女の子の一人暮らしを許してくれる親は、なかなかいません。
彼女の勇気も素晴らしいですが、親の勇気も素晴らしいと感動しました。
普通の親なら、心配で反対しているところです。
しかし、それを許してくれる親は、子どもの自立のため、子離れできている親なのです。
往々に親は「子どもは、いつまでもそばにいてほしい」と願います。
そのため最近は、子離れできていない親が増えています。
過保護の家庭が増え「マザコン」「ファザコン」という現象が起きています。
子どもの自立を本当に願うなら、親は、子離れが必要です。
子離れしなければ、いつまでも子どもは自分で立てるようになれないのです。