いまだに過保護の家庭というのが存在します。
というより、昔より過保護の家庭が増えています。
過保護が増える理由は、現代社会が今、少子化に向かっていることが原因の1つです。
今は、1つの家庭に子どもが2人か1人が普通です。
しかし、昔は4人も5人もいる家庭が、ザラにありました。
子どもが4人も5人もいると、一人一人に注意を向けられなくなります。
実際は、十分に面倒を見てやれなくて「自分で何とかしなさい」という育て方になります。
中途半端な教育に感じられますが、実際には「自分で何とかする」育て方のほうが、よほど子どもは強くなります。
今は、子どもが1人か2人ですから、親の目が十分に行き届いてしまいます。
必要以上に、子どもの面倒を見てしまいます。
そのうえ、今は人間関係が薄れてしまっている時代ですから、余計に親は子どもと接触したがります。
子どもがかわいくて、つい甘やかしてしまうのです。
甘やかしたくなる気持ちは、親としては当たり前です。
しかし、過保護にしては、子どもは免疫力をつけることができません。
子どもに免疫力をつけてもらうためには、外の危険に触れることが必要です。
外部の危険に触れることはたしかに危険ではありますが、それだけの価値はあります。
子どもは、危険に直面してけがをしたときに、痛みを実感しながら学びます。
この痛みは、本や話を見聞きするだけではわかりません。
実際に経験しないと、本当に理解できないのです。
私の実家は、田舎にあります。
それもとても田舎です。
外に出れば、山はあるし、川はあるし、海はあるし、畑もあります。
私が小さいころは、外で遊んでばかりいました。
もちろんけがもたくさんしました。
蜂の巣を突っついて追いかけられて刺されるという、漫画でしか見たことのないようなことも、実際に経験があります。
今思えば、けがをするのをわかっているにもかかわらず、それでもなお外に遊びに行かせてくれた親は、さすがだなと思います。
けがをして、血を流すのをわかっていても、それでも外へ遊びに行くことを許可してくれます。
痛くて血を流しても、親はさほど驚きません。
「大丈夫。大丈夫。それくらいで、死んだりせん」と言って、笑ってしまいます。
痛みを子どものころから経験することで、失敗やけが、痛みなどに対して、免疫をつけていきました。
もし、私を過保護に育て、危険に触れることを許してもらえなかったら、今の私はないでしょう。
今、つらいことがあっても元気でいられるのは、子どものころに痛いことを数え切れないほど経験しているため、慣れているのです。
悲観的なことに対して、免疫ができてしまったのです。
子どもには、どんどん失敗をさせてあげましょう。
けがをしに行く気持ちになるくらいでいいのです。
子どもがけがをすることで、人生に対して、少しずつ免疫をつけることができるのです。