私が自分の人生の中で、特に親に理解されたことは「学校の中退」です。
私は高校を卒業した後、19歳から23歳まで、アメリカに3年半留学していました。
にもかかわらず、私の勝手なわがままで、中退してしまいました。
それも卒業間近で、中退してしまいました。
3年半もの間、親の援助に頼った末、学校を辞めることは、私にとって最高の恥です。
私が中退を決心したとき、両親は叱りませんでした。
それより私のことを「理解」してくれようとしました。
「どうしたんだ? 何があったんだ?」と話を聞いてくれました。
こういうふうに聞いてくれるだけでも、私としては本当に助かります。
私は今まで、親の「子どもを理解する」に助けられて、ここまでやってこられたようなものです。
親との家族会議があり、いろいろ理由を説明し、話し合った「思い出」があります。
おそらく、普通の親なら中退と言った瞬間、話も聞かずにかなり怒っているところでしょう。
私の友人の中には、縁を切られてしまった人さえいます。
私は自分の親の「子を理解する」というところを、尊敬しています。
子どもは理解されると、親を大変慕います。
愛される親は「子どもを理解する親」のことです。
子どもがいけないことをすると、子どもの話を聞かずにすぐ怒鳴りつける親がいます。
しかし、本当に子どもにとって嬉しい親は「理解してくれる親」です。
子どもは自分のことを理解してほしい欲求があります。
親に子どもを理解しようとする気持ちがあれば、子どもも親を理解しようとします。
往々にして、子どもに押し付けてばかりの親がいます。
人生経験の長い親の考え方のほうが正しいのでしょうが、だからとはいえ押し付けるのは賢い育て方ではありません。
教育では、親と子のお互いが「理解し合うこと」が必要なのです。
「理解」を大切にするだけで、親と子の関係がうまくいくのです。