「あんた、ダメでしょう」
「お前は何を考えているんだ!」
叱るとき、きちんと子どもの名前を呼んでいますか。
自分でつけた子どもの名前であるにもかかわらず、口にしない親がいます。
家族の仲だから、打ち解けた表現でいいだろうと思っています。
「お前」や「あんた」というのは、名前ではありません。
そういう呼び方は、子どもを見下しているだけでなく、どこか冷たく感じます。
また「ちょっとちょっと」と言って、名前を言わずに叱ることもよくありません。
会話の中に名前があるのとないのとでは、相手に訴える力が全然違います。
会話の中に自分の名前が登場すると、どきっとします。
名前を口にすることは、名指しをすることです。
虫メガネで太陽の光を集めるように、親の言葉を1人の子に対して、集中させているのが感じられます。
子どもとはいえ、名前をしっかり呼んで叱りましょう。
「貴博君、次からはこうしたほうがいいよ」という言い方は、どきっとします。
叱るときに限りません。
それは個人を尊重している言い方です。
名前をきちんと呼んであげると、子どもは素直に言うことを聞くようになります。
「自分に対して言われている」という実感が強くなるので、親からの言葉が、より親身になって聞けるようになるのです。